Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.31「上手な人と一緒にラウンド。ここを学ぼう!」

【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.31「上手な人と一緒にラウンド。ここを学ぼう!」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

89ビジョンを目指すなら、自分よりゴルフが上手なシングルプレーヤーとのラウンドを勧めます。それはショットやコースマネジメントが参考になるからです。

いつもお友達ラウンドばかりしていては、ぬるま湯状態。ここは上手な知り合いに、同伴ラウンドをリクエストしましょう。これから上級者ラウンドのコツを説明しますので、参考にしてください。

上級者の人選

様々な上級者がいますが、飛ばし屋はスペックが違うので除外したほうが良いでしょう。250ヤード以上飛ぶ人とラウンドすると、彼のワンマンショーとなり、毎ホールナイスショット~~~と声をかけ、自分の非力さを嘆くばかり。理想の同伴プレーヤーは200~230ヤードほどの飛距離で、ハンディ7~9ぐらいの人ですかね。

あと上級者は1人だけが良いです。自分以外全員上級者だと、疎外感が半端ないです。アベレージ君も入れてラウンドすれば、自分がへこまなくて済みますよ。


ラウンド前の所作

上手な人ほど朝の練習をしっかりやります。全て完璧な練習はできませんが、まずは朝に会ったら同じような行動を取り、スタート前のダンドリを学びましょう。

以前、プロとラウンド合宿したときに念入りな練習はもちろんしますが、ラウンド後、動画を見ながら30分ほどストレッチをしていました。日課だそうです。ゴルフを仕事にする人は、それぐらいやって当然なんですよね。

上手い人は必ず素振りを1回するとかね、そういうルーティンを決めています。その素振りも、ちゃんとトップまで肩を回してから振り下ろします。我々は素振りと言いながら、儀式に近い感覚ですかね。ワッグルに近い、ハーフショットの素振りをしがちです。

これってゴルフ場の風呂に入るとき、下半身にしっかりかけ湯して汚れを洗い流す人と、おざなりにお湯をチョイとかける人との違いですか。ルーズな人は全て適当だし、性格かもしれませんね。

アプローチの粘り

飛距離そこそこの上級者は、ショートゲームがスコアメイクの要と理解していますから、ものすごく粘ります。脳内のアプローチは、すべて“寄せワン”パーを狙っています。

距離もしっかり計測し、攻め方も迷わず決める。だから上級者が日頃アプローチのときに持っているクラブは、せいぜい2本。心配性で何本も持ってしまうアベレージ君とは違うようです。

なぜシングルさんはクラブをたくさん持って歩かないか。それは1本のクラブに、多様な仕事をさせるからです。昔、プロから教わったアプローチ練習は、同じ場所で延々打つというものでした。

1本のSWで芝がふかふかしているライを打ち、それが次第に削れてベアグラウンドになり、それを打つ。さらにへこんだ砂地で打つ。少しずつ砂を取って打っていけば、どんなライでも打てるようになるというもの。

シングルさんも、1本で様々なライで打つ練習をしているから、持つクラブが少ないのです。そして彼らのアプローチは、ボールの落とし所を計算しています。この辺りに落として3m転がればカップに寄るとかね。ショットイメージがちゃんとできています。

パターのしつこさ

何十人もの上級者を見てきましたが、皆さんパターの読みはしつこいです。我々は2mぐらいならマジで入れようとしますよね。けどシングルさん6~7mまで、マジで入れようとしてきます。

じゃそのマジって何か? それは本気度です。7m、カップ1個スライス、やや下り、実際は5mを打つ感じで。そうやって『目論見書』を自分で作る。今度はそれを言葉に出して、体に覚え込ませる。

結果は大事ですが、自分の狙い通りに打てたかが大事。しっかりカップをオーバーさせたか? カップにプロラインで打っていたか? すなわちカップの高い部分から入れたかとか、そういう部分をすごく大事にしています。

個人的にパターは得意ですが、まだ直感に頼る部分が多くて、調子が良いとバンバン入りますが、調子が悪いと外したり、距離が合わずに苦労することも。

キャバクラならものすごく粘れるんだけどな。ゴルフはそこまで粘れない。ゴルフはキャバクラに比べ、達成したときのご褒美が少ないからか? って、そうなの!?

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号より