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【教えて! なっち先生】Vol.16「ハンドファースト」は体の動きで作るのが正解!

力強くボールを打つために大切なのがハンドファーストの形。スウィング中に自然とハンドファーストが作られる体の使い方を、プロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて教えてもらおう!

>>前回のお話はこちら


Lesson 16
ハンドファーストは
体の動きで作るのが正解!


力強いボールを打つのに欠かせないのが、インパクト時のハンドファーストです! 

ハンドファーストとは、左腕がターゲット方向に少し伸びて、左手首が折れている形を言います。今回はインパクトで起こるハンドファーストの手の形、左手の掌屈についてレッスンしていきましょう! 

まず掌屈とは、手首の関節を手のひら方向に折り曲げることを言います。この掌屈がハンドファーストの動きにつながるのですが、プロたちは手だけでハンドファーストや掌屈を作っているわけではなく、アマチュアは上手くできている人とできていない人の動作に大きな差があるんです。

わきが締まっていなければ正しい掌屈にならない 

正しい動作としては、インパクトエリアで腰がターンして、左わきが締まり、左肩甲骨がパッキング(左肩と左腕が一体化して動く)された状態で、腰のターンに合わせて胸椎(胸の部分の背骨)も回ってくると、自然に腕がローテーションされてきます。腕がローテーションされることで、自然に左手首が掌屈の形を迎えることができるので、動作の結果としてハンドファーストにインパクトしていくことが可能になるのです。 

プロたちの力強いインパクトにはこんなに細やかな動作が詰まっているんですね! 


左手の掌屈の形は手元だけで作るのではない。腰のターンによって胸椎が回り、その結果、腕がローテーションされることで自然と掌屈の形となるのが正解だ

しかし、多くの方はインパクトの際、左わきの締まりや左肩甲骨が緩くなっているようです。この左わきと左の肩甲骨が緩んでしまうと、左わきが空いて左肩甲骨も上に浮いてしまうため、手元のグリップ位置が浮いてしまって、ヘッドが垂れ下がり、クラブの軌道が乱れてしまいます。 

こうなるとさまざまなミスショットが出てしまうので、わきの緩みには注意が必要です。再現性の高いインパクトには「わきの締まり」が不可欠なのです。正しいハンドファーストインパクトを迎えるために、覚えておきたい順序をイラストでまとめてみました! 

まず①左わきが締まり、左肩甲骨がパッキングされていることが大切です。これはクラブの正しい軌道に直結します(わきを締めるには、ヘッドカバーを左わきに挟んでスウィングするドリルが効果的です)。 

次に、②ダウンスウィングでヒップターンをしっかり行っていきます。ボールを打ちにいって腰のターンが止まってしまうと、インパクトで腕が伸びてしまって両わきが緩んでしまいますので、力強いインパクトができなくなってしまいます。

このことからも、ボールを打ちにいかず、しっかり腰がターンされていくことが大切です。そして腰のターンのあと、③胸椎が回旋されてきます。この3つの点が順序よく行われることで、結果的に自然と左腕はローテーションされながらハンドファーストの形に変化し、手首も掌屈されていくという動きになります。 

ついつい手でボールを打ちにいってしまいますが、左わきを締めて腰をターンさせていくのは力強いインパクトに欠かせない動作なのです。上記を参考にしっかり体を使ってインパクトしていきましょう!

大谷奈千代

1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う

週刊ゴルフダイジェスト2025年7月15日号より