Myゴルフダイジェスト

会員登録
  • ホーム
  • レッスン
  • 【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.11「シニアの“戻りシャンク”は忘れた頃にやってくる!」

【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.11「シニアの“戻りシャンク”は忘れた頃にやってくる!」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

最近、シニアの円熟したゴルフファーとラウンドをしますが、時々シャンクをするシーンを見かけます。私自身も元来シャンクが持病でしたが完治し、ここ10年ぐらいは出ていませんでした。

ところが最近、そのシャンクがまたちょろちょろ出だして、どうしたものかと少々頭を痛めています。完治したシャンクが、シニアになって出だすことを私は「戻りシャンク」と言っています。脂がのってて美味しいですよって、それは「戻り鰹」だってば~。

というわけで今回は戻りシャンクの話をします。まず若い頃のシャンクですが、これはクローズドスタンスで、腕だけでアイアンを強振した時などによく出ました。ほとんどがネックシャンクです。

「シャンク(3×9)27」と言われてるように、1回出たら27回は出ると言われています。でも私は実際もっと出ましたよ。あまりにシャンクが出るのでアイアンを全てやめ、全部UTにしたほどですから。


そのシャンク病が治り、今はしっかりアイアンも打てるようになりました。そのポイントはオープンスタンスにして、ボディターンで思い切り打つこと。シャンクを怖がってはいけません。思い切り振るコツは、アイアンのフェースでボールをしっかり包み込む意識です。大きめのフェースで、しかも軟らかめのシャフトを使い弾力性を持たせます。ネックシャンクになりそうなとき、クラブを返すことで、シャンクを防ぐわけです。歌手のMISIA(ミーシャ)も言っているじゃないですか「つつみ込むように」ってね。

無事シャンク撲滅で喜んでいたのもつかの間、シニア世代になり再びシャンクが出るようになりました。あの悪夢が復活か? 実は私も含めて、ほかのシニアゴルファーの方も、ちょろちょろシャンクをしている場面に出くわします。

若いときのシャンクで多かったのは、アイアンの強振でしたが、シニアシャンクで多いのはアプローチです。これは枯れ芝やヘビーラフ、傾斜のあるマウンドなどで、フェースが草や地形に負け、あらぬ所に当たってしまうという感じのもの。加えて難しいライだから、先を見がち。故に「ヘッドアップシャンク」が多いのです。皆さんアプローチに自信があるから、シャンクが出たときはショックで、思わず「シャンク(釈)由美子」と叫んでしまうほど。ほんまかいな!?

さてシニアの「シャンク由美子」はどうしたらいいでしょうか。まずマウンドやヘビーラフでのアプローチは、9番アイアンなどの転がしで対処しましょう。最近、地球温暖化の影響で、ベントグリーンをバミューダ系に張り替える、そういう話を耳にしました。南方系の芝は勢いが凄いので、ラフに飛び火してティフトン系の芝が生えてくる可能性もあります。世の中で一番苦手なのが、このティフトン芝のラフ。芝の底が見えないというかね。そうなると野芝に慣れた日本のゴルファーは「シャンクしまくり千代子」ですよ。

シャンク対策には道具も大切だ!

あとシニアシャンクの対処としては、簡単なウェッジを使うことも大事だと思います。現在使っているSWは、プロギアの『DATA811』。25年くらい前のクラブで、ネットでわざわざ買いました。ある研修生は大きいフェースを見て、「団扇」と言いましたから。それくらいフェースが広い。おかげでシャンクが減ってます。

あと芝草に負けない重さも大事。ロイヤルコレクションの「Dr.D3」という620gの重いSWを使用中。これはバウンスが効き過ぎて、ヘッドを振り下ろすだけで、なんでもクリーンに打てる優れもの。ここまでこじらせろとは言いませんが、簡単そうなウェッジを1本入れておくことが大事です。

そして君子危うきに近寄らずと言われているように、複雑なライに果敢な挑戦をしないこと。歳を取ると集中力が欠け、一度に別なことを同時にできません。アプローチシャンクの場合、打ったときにボールの行方を見るから、ヘッドアップするのです。「アプローチにOBなし」と言われているように、って私が言っているだけですが、ボールを見失うことはありません。打つことのみに専念しましょう。打ったボールは誰かが見ているので大丈夫です。薬を飲むとき、喋りながら飲むから誤嚥をするんです。それと同じ原理で、ボールの行方は無視しましょう。

あと人のシャンクを見てると、不思議と伝染することがあります。「この人、シャンクしそう」と思ったら、あまり見ないことですね。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年6月10日号より