「TGL」完全ガイド<後編>インドアゴルフの究極形! 世界トップの戦いを演出する仕掛けの数々に驚愕
最新鋭の技術を結集したスタジアムでPGAツアーのトップ選手がしのぎを削る「TGL」。その試合方式もこれまでとは違うエンターテインメント性に溢れたもの。果たしてどんな仕掛けが施されているのか? TGLの楽しみ方を完全ガイド!
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos、Getty Images
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- タイガー・ウッズとローリー・マキロイが発案・設立したリアルとバーチャルが融合した新しいゴルフリーグ「TGL」。PGAツアーのトッププレーヤーたちが6つのチームに分かれ、ゴルフと最先端テクノロジーを融合させた約2時間のチーム戦。1月7日に開幕し、第3戦にはマキロイと松山英樹のチームが登場するが、一体どんなものなのか、おさらいしておこう。 PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroy……
大学構内に建てられた
「SoFiセンター」が舞台
●Point 1
高さ14m、幅19.5mの巨大スクリーン
18台のレーダーと8台の光学カメラで計測
映画館よりも大きいスクリーンに向かって打つ。使用されるのはゴルフシミュレーター「FULL SWING」。多くのレーダーとカメラを配置し、ショットをシミュレーターの中で正確に再現する
●Point 2
最新技術が詰まった2種類のゾーンでプレー
ピンから50Y以上のショットを巨大なスクリーンに向かって打つバーチャルな「スクリーンゾーン」。ティーショットの結果に応じてフェアウェイ、ラフ、バンカーとリアルなライからプレーを続ける。50Y以内のショートゲームを行うのは現実世界の「グリーンゾーン」。形状を変えられる芝生のラフとフェアウェイ、バンカー、グリーンで実際にプレーする
●Point 3
ショットエリアの芝生は天然のバミューダ芝
ショットエリアは約4.6㎡、深さは約30.5cm。バミューダ芝「タホマ31」が採用され、フェアウェイの芝の長さは約1.3cm、ラフは約7.6cmに設定されている。会場の近くで芝の育成がされており、毎試合パレットごと交換される
●Point 4
スクリーンゾーンのバンカーはアゴの高さも再現
スクリーンゾーンにあるバンカーは、前方に可動式のパレットが付けられており、シミュレーション上のバンカーのアゴの高さによって角度が変わる。この障害物によって、高さを出す必要もあるため、実際のコースのようにバンカーのライによって必要とされるショットが異なる
●Point 5
バンカーの砂はSP55、オーガスタナショナルGCと同じ
オーガスタナショナルGCでも使用されているかなり目の細かい砂を使用。ゴルフ場では大量の砂が必要になるが、スタジアムであれば少量で済むため、コストのかかる最高級なものが使用されていて、かなりふかふか
●Point 6
グリーンゾーンに落ちたボールの位置は、ポイントレーザーで指定
スクリーンゾーンで50Y以内に入ると、コンピューターが場所を特定してグリーンゾーンにレーザーを当ててボールの位置を指示。寸分の狂いもなく、実際にボールが止まった位置からプレーが再開される
●Point 7
グリーンは油圧式で回転や傾斜の調整可
ターンテーブルがあり、グリーンを回転させてアプローチアングルを変えたり、約600個の油圧ジャッキによって地形を変更可能。ホールによって傾斜やグリーンのアンジュレーションが細かく変更される
●Point 8
観客席は1200席
スクリーンから馬てい形に観客席が広がり、その数は1200席。会場では自由に声援を送ることができ、ブーイングや拍手、選手たちへの要求など、普段とは違った雰囲気
24選手が6チームに分かれて対戦!
PGAツアーのトップ選手が出場するが、4選手ごと6チームに振り分けられてチーム戦と個人戦でポイントを争う。各大会4選手のうち3選手が出場。試合は提携するPGAツアーの各大会最終日の翌日月曜日もしくは火曜日に実施され、各日、マッチを行う2チームだけが参加する。
2つの対戦方式、15ホールで競われる
●「トリプルス」9ホール&「シングルス」各選手2ホール
最初の9ホールは各チームの3人が順番に打つオルタネート方式でプレーする。その後各選手2ホールずつの1対1のマッチプレーとなるシングルスが行われ、計15ホールの合計ポイント(勝利1ポイント、引き分け・負け0ポイント)で勝負が決まる
●上位4チームがプレーオフに進出
各試合15ホールで決着がつかない場合は延長戦が行われ、毎試合必ず勝敗がつけられる。勝敗によってポイント(勝利2ポイント、負け0ポイント、延長戦での負け1ポイント)が付与され、チームの総当たりが終わった時点での累積ポイント数で、ポストシーズンに進む4チームが決定される
●決勝戦は2セット先取で勝ち
4チームで行われる準決勝は敗者復活無しのシングルエリミネーションで行われ、2チームが決勝に進出。決勝戦は「ベスト・オブ・スリー」形式で行われ、2セットを先取したほうが勝ちとなる
【賞金総額】2100万ドル(約32億円)
【優勝チーム】900万ドル(約13億5000万円)
●レギュラーシーズン/総当たり戦で3月4日まで毎週開催
●ポストシーズン/レギュラーシーズン上位4チームが進出してトーナメント形式で行われる
こんな特別ルールも!
「ザ・ハンマー」でポイントが増える!
基本は1ホールに勝利すると1ポイントが付与されるが、「ザ・ハンマー」というシステムが導入されている。各ホールのスタート時に1つのチームが「ハンマー」を所有し、それを投げることでそのホールのポイントが1ポイント上がる。ホール開始前にハンマーが投げられた場合は受け入れる必要があるが、ティーオフ後に投げられたハンマーは拒否することができるものの、拒否をするとその瞬間に負けが決定する。ハンマーの権利は投げた瞬間に相手チームへと移行し、1ホール何回でもハンマーを投げることができる。例えば両チーム互いにハンマーを投げ合い、3回ハンマーが投げられたとするとそのホールは4ポイントとなるため、ポイントで差があっても最後まで逆転の可能性が残されている。どのタイミングでハンマーを使うか、チームの戦略もカギになるが、例えば大差がついた時に観客が選手をあおって使用させることで形勢が逆転する場面も出るかもしれない
マキロイ、松山擁する「ボストン・コモンゴルフ」とタイガーの「ジュピターリンクスGC」が1/27(月)に激突!
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週刊ゴルフダイジェスト2025年2月4日号より