飛距離とスコアは比例する? 10年で10Y低下? ゴルファーの“飛距離”に関するアンケート結果<後編>【ニッポンゴルフ実態調査】
日本のゴルファーの実態や実情をアンケート調査によって明らかにする「ニッポンゴルフ実態調査」。今回は、アマチュアゴルファーの「飛距離」について調査。後編ではさらに詳しく分析していく。
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- 日本のゴルファーの実態や実情をアンケート調査によって明らかにする「ニッポンゴルフ実態調査」。今回は、アマチュアゴルファーの飛距離について徹底調査した。 >>後編はこちら 以前「みんなのゴルフダイジェスト」の記事で、あるクラブフィッターが「一般男性のドライバーの平均飛距離は大体240Yぐらいでしょうか」と書いたところ、「一般のアマチュ……
前編では、アマチュアゴルファー7543人の「ドライバーの飛距離」と「アイアンの飛距離」をグラフ化。
ドライバーの飛距離はキャリーが「210~220Y」、ランを含めたトータルが「230~240Y」という回答が最も多かった。7番アイアンは、キャリーが「140~150Y」、トータルは「150~160Y」が最も多い結果に。後編では、「年齢」や「腕前(平均スコア)」といった条件を加えて、さらに詳しく分析していく。
アンケートはウェブサイト「みんなのゴルフダイジェスト」および「Myゴルフダイジェスト」上にて行い、7543件の回答を得た。回答者の属性は下記の通り。
10年で10Y落ちていく?
「年齢別」ドライバー飛距離
まずは、ドライバーの飛距離(ランを含めたトータル)を年齢別で分析していく。
「10代以下」「20代」のグループは、若くてパワーがあるということもあるが、ジュニア時代から競技ゴルフを経験している人の割合が多いと推測され半数以上が260Y超。「30代」も、250~260Yが平均的な数値となっている。
「40代」になると240~250Y、「50代」は230~240Y、「60代」は220~230Yが平均的な数値となっており、ちょうど10Yずつぐらい差があるように見てとれる。仮に上位30%ぐらいが「飛ばし屋」と考えると、30代で270Y、40代で260Y、50代で250Y、60代で240Y以上飛ばす人は「飛ばし屋」を自称していいかもしれない。「10代以下」では300Y以上飛ばす人が2割近くいるというのも頼もしい。
7番アイアンはドライバーほど
年齢によるバラつきがない
続いては7番アイアンの年齢別飛距離(トータル)を見ていこう。
「10代以下」は、サンプル数が少ないものの、全員が150Y以上。6割が170Y以上と、うらやましい限りの数値。しかし「20代」から上は、ドライバーほど年齢による差が大きくない。
「20代」「30代」は160Y前後、「40代」「50代」は150~160Y、「60代」でも150Y前後が平均的な数値となっており、「70代」「80代以上」でも、140Y以上飛ばす人が大半を占める。
これは、飛ばない人、飛距離が落ちてきた人ほどロフトの立ったクラブを使うことで飛距離を補っていることも関係がありそうだ。
「平均80台」には飛距離アップが必要?
ドライバー飛距離と腕前の関係
飛距離を伸ばしたい、というのは多くのゴルファーの願いだが、スコアにはどの程度関係するのか。平均スコア別の飛距離データを見ていこう。
当然ながら、腕前が上がるにつれ、飛距離の数値も高くなる傾向が見てとれる。とくに平均「70台以下」で回るような片手シングルクラスの上級者は、若い世代や競技ゴルファーの割合が高いと思われ、250Y以上飛ばす人が75%以上を占める。逆に平均70台で回るためには、これぐらいの飛距離が必要ということになる。とはいえ、なかには200Y前後という飛距離で平均70台という強者もおり、セカンドのウッドやアプローチ、パットを磨くことで、飛距離のハンディを補えるという希望もある。
面白いのは、「110台」から「100台」、また「100台」から「90台」の間には、それほど大きな差がないが、「90台」と「80台」の間には、平均10Yぐらいの差があるように見えること。「100の壁」を越えるには、飛距離を伸ばさずとも、マネジメントやショートゲームの改善でなんとかなるが、「平均80台」という地点に到達するためには、安定して芯でとらえられるミート率の向上など、飛距離についても1段階アップすることが重要といえそうだ。
150Y以下でも平均80台は十分可能!
7番アイアンの飛距離と腕前の関係
それでは「7番アイアン」の飛距離は平均スコアとでの程度関係があるのか。
7番アイアンに関しては、「年齢別」でもそうだったように、腕前による飛距離の差はそれほど大きくないことが見てとれる。平均スコア「70台以下」の超上級者は別として、「80台」「90台」「100台」「110台」はいずれも「150Y前後」が多数派。「80台」の上級者でも、半数近くが7番アイアンの飛距離が「150Y以下」となっている。アイアンは飛ばすことよりも、狙ったところに“止める”ことが重要なクラブであるため、上級者ほど、飛距離をそれほど重視していないという証左でもあるだろう。
逆に言えば、7番アイアンの飛距離が150Y以下でも、「平均スコア80台」は十分に狙えるということ。計測器がある練習場などでは、つい「どれだけ飛んだか」に目が行きがちだが、スピン量や落下角度、距離のバラつきなどを重視することがスコアメイクには重要といえそうだ。
「7番で150Y」という基準は
昔も今も変わらない?
7番アイアンと一口に言っても、ロフト角24度というような超ストロングロフトから、伝統的なマッスルバックでは35度のモデルもあり、実に10度以上の開きがある。では、実際ゴルファーたちはどのぐらいのロフトを使用しているのだろうか。
最も多かったのが「30度台」で17.2%。次いで「32度台」が14.8%。「34度」を使っている割合も意外と多く、30度以上が全体の7割超を占める形に。「アイアンは“落下角”が大事」と謳うメーカーもあり、過剰なストロングロフト競争がひと段落したことも背景にあるのかもしれない。
ちなみに「ロフト別」で7番アイアンの飛距離を比較すると、飛距離の分布はほぼ同じような結果となった。飛距離が落ちてきた人がストロングロフトのアイアンを使う傾向があることを考えれば当然といえば当然だが、ゴルファーにとっては「7番アイアンで150Y」というのがひとつの強烈な指針となっており、無意識のうちにそうなるようにクラブを選んでいるといえるのかもしれない。