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【クラチャンと回ろう】皐月GC佐野C・早乙女剛史さん<後編>「30分の素振り」と「右手を抑えるグリップ」が飛んで曲がらないスウィングを生んだ

全国のクラチャン(クラブチャンピオン)にゴルフ上達の極意を学ぶ「クラチャンと回ろう」。前回に続き、皐月GC佐野コースのクラブチャンピオン・早乙女剛史さんのゴルフ上達法に迫っていく。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Shinji Osawa THANKS/皐月GC佐野C、アフターゴルフクラフト
※早乙女さんにはボランティアとして登場していただきました

早乙女 剛史さん 皐月GC佐野C/クラブチャンピオン5回(01年、09年、11~13年)/40歳/ドライバー飛距離270~280Y/メンバー歴24年/主な戦歴:01年日本ジュニアゴルフ選手権2位

>>前編はこちら

最強の練習法は“素振り”

最近は仕事が忙しく、年間でラウンド5〜6回という早乙女さん。

午前中は仕込みで、午後は店を開くのでなかなか練習にも行けないそうだ。だが、10年ほど前に比べ飛距離こそ落ちたものの、実力は変わっていない。ショットの精度は、年を追って磨かれていると言っていい。その基本となっているのが、ゴルフを始めた中学1年から続く素振りである。

「それが父の教えで、毎日30分以上は素振りをしていました。初めてボールを打ったのは、それから確か1カ月後くらいではなかったでしょうか。でも素振りのおかげで、飛んで曲がらないショットが身についたのだと思います」


ゴムティー叩きドリル

スウィングチェックもボールを打つより素振り

ゴムティーの上スレスレを叩くように振る。これができるとインパクトが安定している証拠だ。自分のリズムができ、ヘッドスピードもアップする。シャフトがしなり、ヘッドが走るのを実感できる

その後、佐野日大→日大でゴルフを続け、卒業後は母校・佐野日大のコーチも務めたが、30分以上の素振りは早乙女さんの日課でもあった。さすがに最近は毎日というわけにはいかないが、

「時間があれば店の駐車場で、今も素振りしています」

その効果を早乙女さんは、「スウィングの“角が取れる”」という。

「まずボールがないので力みません。上手に打とう、飛ばそうという欲も消えます。その結果、自分のリズムができ、ヘッドも走って、インパクトもスウィングプレーンも安定します」

結婚して佐藤姓となった姉の香織さんも、素振りを基本とした練習により関東ジュニアで優勝した経験を持っている。

「目線の高さより低く」という意識で低く抑えて打つプロはいるが、佐野さんの場合、実際に目線の高さを越えないローボール

ルーティンもスウィングのうち。どこを狙うか、どんなボールを打っていくかをイメージし、自分のリズムでボールに入っていく

右手の悪さを防ぐ
魔法のグリップ

当初はプロを目指し日大に進んだ早乙女さんだったが、レギュラーで活躍するも、卒業後ドライバーイップスに悩まされるように……。試行錯誤の末たどり着いたのが“ダブルオーバーラッピンググリップ”。

学生時代からのライバルで、後に義理の兄となる佐藤順さんの「右手に悪さをさせない」というアドバイスも大きかった。そのおかげでスピンコントロールが容易になり、方向性が安定。320ヤードの飛距離と、名物7番ホールの3オンも可能になった。

右手が”悪さ”をしないように
“ダブルオーバーラッピング”に
グリップをチェンジ

早乙女さんのグリップの変遷。インターロッキングからオーバーラッピング、そして右手を1本、2本に増やした。車に例えるなら左はアクセル、右手はスピードを落とすブレーキなのだ

「ボクも右手を使いたくないんです」

唐沢GCのクラチャンである、佐藤順さんも「右手に悪さをさせない」理由からダブルオーバーラッピング。左主導のスウィングが身につくグリップでもある

体と左腕を連動させる

左腕とクラブを1本にイメージすることで右手の悪さを抑えられる。体と左腕を連動させることがポイントだ

早乙女さんの14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2024年11月号より