【150Yからパーを取る】#1「アイアンは“飛ばそう”としないことが大切です」
練習場ではそこそこ狙った場所にいくのに、いざコースに出ると、なかなか乗らない「150Y」。そこで今回は、百戦錬磨の競技アマたちに、150Y前後の距離をしっかり乗せるための考え方について聞いてみた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Masaaki Nishimoto THANKS/嵐山CC、赤城国際CC、森林公園GC、ハンズGC、天野山CC、豊洲ゴルフベース
※アマチュアのみなさんにはボランティアとしてご協力いただきました
●CONTENTS●
#1 アイアンは“飛ばそう”としないこと
#2 意識は常に“ボールの左側”
#3 インパクトは“線”で考える
#4 着弾までの秒数までイメージ
#5 エッジまでの距離も必ず測ろう
豊島豊さん(47歳/HC+3)
とよしま・ゆたか。競技ゴルフの世界では知らない人はいない実力者。2021年から日本ミッドアマ3連覇中の日本一うまい“おじさん”ゴルファー
平らなライからキッチリ150Y
という状況はない
パーオンを実現するには、「実戦では、気持ち悪い距離のショットをいかに気持ちよく打てるかが勝負」と、日本ミッドアマ3連覇中の豊島豊さんは言う。確かに、7番アイアンのフルショットでキャリーが150ヤードだとして、コースで実際に残るのは147ヤードとか、154ヤードといった中途半端な距離ばかり。もちろん、その都度ライも変化する。
「(自分の8番アイアンのキャリー飛距離)145ヤードに対して、ピンまで147ヤード残っているときに、風が少しアゲているとか、ライが少し左足上がりだったりすれば、それを『理由』に気持ちよくフルショットのスウィングができます。あるいは、状況的に150ヤードキャリーしてもいいとなれば、スッと7番アイアンを持てる。そうやって何か理由を見つけて気持ちいいところを探して打つというのが、実戦ではとても大事です」と豊島さん。
また、ミスしてもその原因をスウィングに求めすぎないこと。たとえば、「普段より飛ばない」のは、単に体調の問題であることも多いからだ。
グリーンを狙う際、フェアウェイから打つほうが当然、ラフよりもオンの確率が上がる。つまり、ティーショットをいかにフェアウェイに置くかというところから、パーオンへの準備は始まっている
150Y攻略 3つのカギ
●ライの見極め
いいスウィングなのにスコアが悪い人は、平らなところから打つ考え方に縛られていることが多い。2打目以降、常に変わるライを見定め、適した打ち方を選択する力が必要
●「飛ばそう」としない
「飛ばしたい」といった感情が入ることで、スウィングは簡単に崩れてしまう。コースではフルショットの距離はまず残らないので、冷静に距離を「落とす」ことに専念する
●距離を“落とす”訓練
アマチュアの場合、「軽く打ったら逆に飛んでしまった」ということはよくある。確実に距離を落とす、自分なりのやり方(技術)を普段から2~3種類練習しておくと実戦に役立つ
豊島さんはヒール寄りで打つことで距離を抑える
フェードヒッターはヒール側でヒットすることで「飛びすぎ」を抑えられる。そうやって不安要素を取り除き、スウィングでは距離を「落とす」だけにすればやることがシンプル
スウィングの形は気にしない
アイアンは飛ばすゲームではなく、距離をコントロールするゲーム。いわゆる「縦の距離」を安定させる大前提は、どのスピードで振ったときでも芯に当てること。上級者ほどインパクトの「音」を大事にする理由はそこにある。
「昔からスウィングの『形』にはあまりこだわりがなくて、それより『いい音』だったかとか、『いい感触』だったかというところを大事にして練習してきました」と、豊島さん。いい音=芯に当たったということで、ひいてはいいスウィングができたということ。
「インパクトはスピードが速すぎて、意識して形を決めようと思っても難しい。なので、スウィングで意識するのは、打ちたい距離に対してどのくらいのフィニッシュを取るかということだけ。その通り
に体が動けば、距離も合うことが多いです」
自分にとって自然な振り方で、一定のリズムとテンポで振れたときに「いい音」で打つことができる。逆に「いい音」を出そうとして、インパクトの形やクラブ軌道にこだわりすぎると、自然なスウィングができなくなる
打ちたい距離に応じたフィニッシュだけを意識
音や打感が悪いときはココをチェック!
前後左右のボール位置
持ち球とその人のスィングの相性によって、適なボール位置(左右)は異なる。フェードヒッターは相対的に左足寄り、ドローヒッターは右足寄りが多い。それと同時に、前後の距離も一定になるように時々チェックが必要
軸ブレの有無
フェードヒッターは左サイドで多く回転するので、調子が悪くなると左に突っ込みやすい。右ひざが左ひざに寄っていく圧力を、左足全体でしっかり受け止めて、左足の上で回転するイメージがあるといい
- 練習場ではそこそこ狙った場所にいくのに、いざコースに出ると、なかなか乗らない「150Y」。そこで今回は、百戦錬磨の競技アマたちに、150Y前後の距離をしっかり乗せるための考え方について聞いてみた。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Masaaki Nishimoto THANKS/嵐山CC、赤城国際CC、森林公園……
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週刊ゴルフダイジェスト2024年11月号より