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【ゴルフせんとや生まれけむ】与田剛<後編>「胸を張ってコンペに出られるようになりたい」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き、元プロ野球選手の与田剛氏。

前回のお話はこちら

最近は以前に比べてゴルフをやる機会が増えて、プロアマやゴルフのイベントに呼んでいただくこともあるのですが、今はまだ自信がないので、声を掛けていただいたのにお断りしてしまうことも多いんです。ですから、イチからきちんと練習してもう少しうまくなって、腕自慢の野球選手のOBが出るようなYouTubeに出演したり、いろいろなコンペにも胸を張って出られるようになりたいなと思っているんです。

前回、秋田でのコンペに参加した際に空振りしてほかの参加者の皆さんを戸惑わせてしまったことをお話ししましたが、周りの方に気を使わせるようではいけません(笑)。バンカーだって1回、2回はまだいいとしても、3回以上打っても出ないとなると、周りはどんな顔をしていいのかわからなくなって、シーンとしてしまうでしょう(笑)。そうならないようにうまくなりたいです。


具体的には私のベストスコアは87ですが、コンスタントに80台前半で回れるぐらいになりたいですね。それくらいになればゴルフの誘いを100%断らなくなると思います(笑)。

今、私が使っているクラブはミズノとキャロウェイで、せっかくいい道具を買ったり、いただいたりしているのに眠らせておくのはもったいないですよね。もったいないといえば、監督になるとき、ある方からお祝いにとスコッティキャメロンをいただいたんです。星野監督にベンホーガンをいただいたときはゴルフのゴの字もわからない状態だったので、ベンホーガンが高価なクラブとは知らずに使ってしまったのですが、このときはスコッティキャメロンがどういうパターなのかはよくわかっていました。だからというか、いまだに使えずビニールも破っていません(笑)。早くこれを堂々と持っていけるような腕前になりたいですね。

では、目標達成のためにどうしたらいいかといえば、野球と一緒で練習あるのみです。ラウンドが終わると毎回必ず反省すべき点が多々あって、「すぐにでも練習に行かなきゃ」と思うのですが、実は行ったためしがありません。まずはその点を改めないとダメだと思っています。これまで野球には常に真摯に向き合ってきました。でも、ゴルフにはそうではなかった。ゴルフに失礼ですねよ。

昭和40年生まれの私も来年で60歳、還暦です。野球界には古田敦也、野茂英雄、長嶋一茂、山本昌、池山隆寛、星野伸之、水野雄仁、村上隆行など40年生まれの仲間が多く「40年会」を作って親睦を深めています。いずれも個性豊かな楽しい連中ですが、ゴルフ好きもたくさんいて、しかも、うまい! なかでも村上はヘッドスピード74m/sという化け物で4Xのシャフトを使って400ヤード飛ばし、パー4でワンオンしてしまいますし、ゴルフの話題に名前が出ることのあまりない野茂もピッチングを彷彿とさせるトルネード打法で300ヤードを軽く超えてきますから、もうビックリです。このメンバーに入ると私などかすんでしまいますが、何とか腕を磨いて彼らに追い付け追い越せの気持ちで頑張っていきたいですね。

与田剛

よだつよし。1965年生まれ。亜細亜大、NTT東京を経て1990年ドラフト1位で中日に入団。この年に最優秀新人賞と最優秀救援投手賞受賞。引退後は2009・13年のWBC日本代表、16年から楽天で投手コーチを歴任し、19年から3年間中日の監督を務めた。ベストスコアは87

週刊ゴルフダイジェスト2024年5月21日号より