【江連忠のPROJECT E】Vol.246 岡本綾子「誰もが真似してほしい最高級のリズム感」
片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島
●今月のレジェンド●
岡本綾子
1951年広島生まれ。日本44勝、米国17勝。1987年には米ツアー賞金女王に輝き「世界のアヤコ」と人気を博した。プレー引退後は指導者、解説者として活躍。05年世界ゴルフ殿堂入り
「力まない達人」
だからリズムが良くなる
雑誌で言うべきではないかもしれませんが、岡本綾子さんのスウィングに関しては必ず動画でも見てほしいです。
なんといってもリズム感が最高級で唯一無二なので、何十回、何百回と見ても飽きません。
ゆったりと滑らかに振っているのにヘッドスピードは出て、重い鉄球をじんわりと転がしているようなイメージで、スウィングにオーラがあるのです。
ソフトボール選手だったから体が強く、相当の飛ばし屋でした。
でも決して力んで打ってはいないからリズムが良く、ミート率の高さが飛ぶ要因。
さらに重心が低くどっしりしているから頭の位置がブレずに保たれて、手首を柔らかく使ってヘッドを走らせています。
パーシモンヘッドの重さも生かされてスピードが出るので、当時の道具にマッチした打ち方だったと言えます。
こういうタイプのスウィングは現代の若手プロにはいませんが、シニア世代のアマチュアには綾子さんのこの力感とリズムは最高のお手本。
下半身を積極的に使わないとリズムは良くならないということも証明してくれています。
手首を柔らかく使ってヘッドを走らせる
軸が左右にブレないように足をそろえて立ち、ひじと手首を柔らかく使ってヘッドを走らせることを覚えよう。力まずに飛ばせることが実感できるようになる
岡本綾子の系譜を継ぐのはこの選手
鈴木愛
低重心で作るリズム感がスウィングの再現性を高める
鈴木選手は頭が左右に大きく動くためスウィングの形としては違いはあるが、リズムの良さが最大の美点という面は共通している。重心の低さや下半身の積極性も似ている
江連忠
1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた
月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より