Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【クラチャンと回ろう】PGM石岡GC・五十嵐崇仁さん<後編>「池に入れた数だけ上手くなった」

【クラチャンと回ろう】PGM石岡GC・五十嵐崇仁さん<後編>「池に入れた数だけ上手くなった」

男子ツアーが開催される難コースで、入会4年目でクラチャンに輝いた若き弁護士。そのゴルフ上達法は徹底した基本と丁寧な復習。苦手分野(科目)を作らない、司法試験で身に付けた術でもあった。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Yasuo Masuda
※五十嵐さんにはボランティアとして登場していただきました

五十嵐 崇仁さん PGM石岡GC・令和5年クラブチャンピオン(39歳・ゴルフ歴20年・ドライバー飛距離250Y・メンバー歴4年・HC2)

>>前編はこちら

池に入れた数だけ上手くなった

ジャック・ニクラス設計の石岡GCは、近隣でも名高い難コースだ。06年に開催された男子ツアー、アコムインターナショナルでは、8番パー3で立山光広プロが、1ホールで「19」を叩く珍記録も。その後、プロも手を焼くブッシュは刈られたが、難易度の高さは変わらない。

五十嵐さんの武器である長いインパクトゾーンは、特に難ホールの4番パー3で威力を発揮する。

PGM石岡GC
4H・196Y・パー3

少しでもコスれば右の池。つかまえにいこうと思うと左奥のバンカー。バンカーからは、グリーンが池に向かうダウンヒル。激ムズの名物ホール

「アウトサイドインでコスってしまえば右の池。それを嫌がって手をこねれば、今度は左奥から池に向かったダウンヒルのバンカーショット。池に何発も落としては、飛んで止まるパワーフェードを身に付けました」

五十嵐さんによれば、ゴルフ上達のメカニズムは、

「受験勉強や司法試験対策に似ています。重要なのはともに基本を身に付けること、そして苦手分野(科目)を作らないこと」だそうだ。


アウトの3番と4番は池を一周する造り。右がずっと池なのでコスリ球は命取り。毎日の日課のアプローチ練習でコスリ球を克服した

1ヤードの練習が
250ヤードの精度につながる

五十嵐さんのゴルフの基本となっているのが、毎朝起きると必ずやるという1ヤードアプローチ。都内には練習場が少なく、自宅から遠いこともあって、部屋でできる練習法としてこれを日課にしている。

「片山晋呉プロのYouTubeチャンネルで紹介されていたドリルです。体の真正面でインパクトすることにもつながり、ビジネスゾーンが安定します。小さい動きはついつい手を使いがちですが、体とクラブを同調させ回転と体幹で打つことを意識しています。この1ヤードが250ヤードのドライバーショットにもつながっています」

1ヤードの練習は、アプローチの上達だけでなく、スウィング自体を良くする練習でもある。軌道の安定、低く長いインパクトゾーン、体幹を使ったインパクトなど、あらゆることが身につく

「箸よりも長くクラブを持っている」という片山プロの言葉を肝に銘じている。寝起きと歯磨きの間の日課だ

また苦手分野を克服するために、その日の課題を見つけてはラウンド後に練習場に直行。同GCではアプローチグリーンが自由に使えるため、夕暮れ近くまで研修会の先輩である岡野智弘さん、山中将次さんらトップアマと一緒に練習する。

「ゴルフは環境と言いますが、恵まれているのは練習場と、先輩方の存在という環境です」

ちなみにアプローチの基本はピッチ&ランで、

「52度を使って必要以上にボールを高く上げないのが身上。落としどころより出球のスピードとタッチを意識しています。これも先輩方に学んだ技術です」

と、どこまでも謙虚な五十嵐さんだった。

撮影の日に練習していたメンバー仲間の加納秀益さん(左)と中村公彦さん。ラウンド中だけでなく、練習場での何気ないアドバイスが五十嵐さんの力になっている

必要以上にボールを上げないのがアプローチの基本。練習では58度を使いボールコンタクトを磨くことで、本番で使用する52度が簡単になるという

五十嵐さんの14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より