【読者記者】No.1848「ゴルフを再開したら思うように当たらなくなった。手首はなるべく使わないようにしているのですが…」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「思うように当たらなくなった」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/洗足ゴルフスタジオ
読者記者No.1848 柴田亜由美さん
●会社員 ●ゴルフ歴/3年 ●165cm ●ベストスコア/130 ●アベレージスコア/140 ●ドライバー飛距離/160ヤード
先生/馬場章矢
87年生まれ、鹿児島県出身。パーソナルトレーナーというバックボーンを生かし、姿勢、筋力、柔軟性などを考慮したスウィング作りを心がける。ティーチング資格取得準備中。「洗足ゴルフスタジオ」インストラクター
柴田さんのお悩み
「思うように当たらなくなった」
ゴルフは1年くらいやめていて、最近また始めました。以前のスウィングの感覚がなくなっていて、思うように当たらなくなってしまったのが悩みです。何がよくないのかもわからない状態です。
手首の動きがよくないために、ダウンスウィングでタメがほとんどなく(3コマ目)、クラブをリリースする力が弱い(4コマ目)。もう少し手首が動くと、全体の動きもよくなりそう
柴田 以前やっていたときより、当たらなくなってしまいました。
馬場 ブランクがある分、大事に当てようという気持ちが強くなって、手首が少し固くなっているみたいです。そうすると振り子が働かないのでヘッドが走らないですし、ヘッドが走らないから不必要に体を揺さぶってしまうという悪循環が起きます。
柴田 手首を使ったら当たらないんじゃないか、とは思ってました。
馬場 むしろ逆で、まず手首を動かしてヘッドが走る形にすると、それに勝手に体がついていってプレーン通りに振れるんです。それにスピードも上がります。手首をゆるゆるにして連続素振りをす
ると、この感覚がわかるはずです。
柴田 確かに、手首を使いつつ速く振ろうとすると、軸が真ん中からずれなくなる感じがしますね。
馬場 インパクトバッグをバンッと強く叩こうとすると、体は突っ込まないですよね? 当てようと思わずしっかり叩くことが、実は当てるコツなんですよ。
<問題点>
手首を固めすぎている
手首を固めてしまうと、体を左右に揺さぶることでしかクラブを大きく振れなくなってしまう(写真)。軸ぶれが大きくなれば、当然、当たりづらくなる
記者「手を使わないほうが当たりますよね?」
プロ「手首の振り子は使うほうがいいです」
手首の振り子によってインパクトも強くなる
手首を支点とした振り子を動かすことにより、ヘッドの遠心力が発生、それに引っ張られる形で腕、体が動くのがスウィングの自然な順番。ダウンスウィングでは、ハンドファーストに当たった後、しっかりリリースが起きる。
連続でテニスボールを打つ。
軸の感覚が明確になってきた!
縦に並べたボールを連続で打つと、スウィングの形にとらわれずに自然な振り方になりやすい。連続素振りの延長のようなイメージで行うといい。テニスボールのように、大きくて必ず「当たる」安心感があるボールを使うと、さらに効果的
Drill
スプリットハンドで何かを叩く
叩く意識があるほうが、手首は自然に使える。右手首の背屈(甲側に曲げる動き)はとくに重要。左右の手の間隔を広げて振ると、左右の手首の役割がよくわかる
Drill 2
手首を使いながら連続素振り
手首の振り子によってインパクトも強くなる手首の力を抜いて、ヘッドの重さを感じながら連続で素振りをする。特にテークバック~切り返しで、振り子の遠心力を感じたい
Point
クラブは指で下から支える
グリップを手のひらで握り込んでしまうと、手首は動きづらい。左右とも指に引っかけて下から支えるように持つと、手首が自由に動く
<取材後記>
力を抜くほうが強く振れた
手首を固めると速く振れないですが、ゆるめたら速く振れる感じになりました。当てるんじゃなくて、しっかり打つという意識のほうが、軸が動かないのを実感しました。
月刊ゴルフダイジェスト2024年2月号より