【読者記者】No.1834「ドライバーなど、長い番手でスライスが出てしまいます」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「ドライバーなどの長い番手でスライスが出る」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Daisei Sugawara THANKS/洗足ゴルフスタジオ
読者記者No.1834 山本英利香さん
●大学生 ●ゴルフ歴/1年4カ月 ●ベストスコア/105 ●アベレージスコア/110 ●ドライバー飛距離/170ヤード
先生/中村香織
86年生まれ、京都府出身。07年、プロ入会。13年に国内女子ツアーシード権獲得。ツアー引退後、19年に自身のスクールを設立、レッスンの道へ。「洗足ゴルフスタジオ」を中心に活動中
山本さんのお悩み
「ドライバーなど長い番手のスライスを直したい」
目標方向に真っすぐ出るんですがそこから少しスライスします。長めのアイアンやウッドでも出ますがとくにドライバーで出やすいです
ダウンスウィング後半から、体全体が目標方向に流れていて、ヘッドが手元を追い越す動きが弱い(3~4コマ目)。このため、フェースが開いて当たりやすくなっている
山本 ドライバーで、もう少し真っすぐ飛ばしたいです。
中村 ドライバーは長いので、自分ではフェースをスクエアにして当てているつもりでも、実際はまだ開いているということが起こりやすいんです。ちゃんとスクエアまで戻すには、ヘッドを最大限に走らせることが大事で、そのためには自分でクラブを「牛耳ろう」としすぎずに、遠心力に任せることが必要になってきます。
山本 どうすれば遠心力を使えますか?
中村 左右とも、親指、人さし指、中指の3本だけで、つまむように握って振ってみてください。必要以上に強く握りすぎないことで、ヘッドが遠心力で勝手に走るのを感じやすくなります。ヘッドが走る力に対して、それと引き合うような力をタイミングよく発生させると(カウンター動作)、さらにヘッドは加速します。
山本 今までより少ない力で、速く振れる感じがします。その分ちゃんとフェースが返りますね。
<問題点>
ヘッドを上から入れすぎる
ヘッドを上から入れるほど、最下点が左にずれやすく、ドライバーではフェースが返り切らずに当たる可能性が高くなる
記者「ヘッドの当て方が難しいです」
プロ「長い釘を真横から打つイメージです」
「叩く」つもりなら自然にヘッドは真横から入る
何かを強く叩こうとすると、無意識にヘッドを真横から当てようとする。なおかつ、当たる瞬間にはすでにフェースが少し返っているのが自然
実際のボールより大きいボールを打つ。
横から当てる感覚がわかってきた!
Drill 1
3本の指でクラブをつまんで振る
左右とも、親指、人さし指、中指の3本だけで、クラブをつまむように握って素振りをする。ヘッドの遠心力を感じながら振れる
「支える指」と「操る指」を意識する
中指はクラブを「支える」のが役目。親指と人さし指でクラブを「操作する」。スウィング中、手に伝わるクラブの力は常に変化している。クラブを支える部分と、操作する部分で、別々に役割を果たす意識が重要
Point 1
切り返しでクラブの重さをキャッチする
切り返しでは、ヘッドがまだテークバック方向に動いているため、右手人さし指側にクラブの重さが乗る。指全部を強く握るとこの重さを感じられない
背中から腕までを連動させて動かす
本来、腕と背中の筋肉を連動させるには、両腕の尺骨(小指側の骨)側の筋肉を意識する。小指側の2本の指を軽く握り、ひじを内側に絞って腕を振ると、背中の筋肉も動き、胴体が回転する。逆に親指側を握り、両わきを空けて振ると腕しか動かない
<取材後記>
ヘッドの走り方が変わってきた
ヘッドを「走らせる」ということに集中すると、それ以外の細かい部分も自動的に修正される感じがしました。今まで球がつかまらなかった理由も、ちゃんと理解できました。
月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より