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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.90 打つ前の素振り、本当に必要?

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

知り合いの学生に「慎堂さんは素振りもせず適当に打っているのに、どうしてそんなに寄るし、入るんですか?」と聞かれたことがある。「キミも素振りせんかったら、寄るし、入るよ」と答えたら、その彼はすぐに実践。そしたら、次の試合で優勝したわ。後日、「素振りしなかったら、いい感じで力が抜けて、思ったところに打てました」と言っとった。

そうなんよ。素振りは疲れるだけで、あまり意味がない、というのがボクの意見だ。みなさんは狙ったところに対してスウィングイメージを膨らませるために素振りしていると思うけど……本当にイメージ膨らむ? だって、本チャンは打感があるけど、素振りには打感がないでしょ。ボク的にはイメージが膨らむどころか、損なわれる感じがしてならない。

狙いどころや、スウィングイメージは歩いているときや、他の人が打っているときにちゃんと考えているので、自分の番がきたら、とにかく早く打ちたい。アドレスに入ってから基本的に4秒以内で打つのがボク流。ヘッドをボールにセットする。グリップする。スタンスを決める、そして打つ。番手や状況を問わず、すべてこの流れだ。よって、リズムもいつも一定である。それが体に染み込んでいるから、たとえラフであっても素振りはなし。芝の抵抗も、慣れれば見た目でだいたい見当がつく。もちろん、多少は見当が外れることもあるけど、それは素振りをしても一緒。つっかからないと思ったのに、思ったよりつっかかってしまったー、てなことはよくある話だ。

それより問題なのは、素振りをしたりしなかったりすることで生じるアンバランスなリズムだ。寄せるだけのロングパットはあっさり5秒で打つのに、入れごろ外しごろのパットになると急に何度も素振りを重ね15秒もかかる人がいる。また、練習グリーンでは素振りせず適当に打つのに、本チャンになると、これまた2回も3回も素振りをする人も少なくない。そんなチグハグなリズムなら全ショット素振りなしで、リズムを一定にしたほうが絶対にいいと思うけどな。

そりゃ、ボクだってゴルフを始めたての頃は、きっちり素振りをしていた。でも、結果はイマイチ。で、ある時、やっても、やらなくても同じ結果ならやらないほうが疲れなくていいんじゃないかって思ったんだ。実際にやめてみると、俄然プレーしやすく、結果もいいことが判明したのだ。

もちろん、自分なりの理論や信念があって素振りをしているなら構わない。でも、ただ漫然とやっているだけ、という人は一度取っ払ってみるのもアリだと思う。ゴルフには「素振り1000回」という言葉があるが、それはスウィングづくりの話。ラウンドに関しては「素振りゼロ回」が慎堂流。努力も才能も体力もな~んにもいらない方法だから、試してみて損はないよね。

状況によって、何度も素振りをして時間をかける人が多いが、リズムが崩れる原因のひとつ。練習で素振りをしないなら、ラウンドもしないで回ってみよう。つねに同じリズムで打てるようになる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年11月13日号より