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【名手の名言】ウォルター・トラビス「パットを制する者は世界を制す」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、パットの名手として知られる伝説のアマチュア、ウォルター・トラビスの言葉を2つご紹介!


パットを制する者は
ゴルフを制す

ウォルター・トラビス


オーストラリアの商社のニューヨーク支社長としてアメリカに渡ったウォルター・トラビスが初めてゴルフクラブを握ったのは、1896年10月、34歳のときだった。それから1カ月も経たずして、オークランドGCで行われたハンディ戦で優勝。そしてメキメキと腕を上げ、初めて出場した1898年の全米アマでセミファイナリストに。1900年に全米アマを制すると、1901年と1903年の大会も制覇。翌年には英国人以外で初めて全英アマを制している。

ゴルフを始めて10年と経たないうちに、世界最強のアマチュアとしてその名を轟かせたのである。

誰に師事したわけでもなく、ゴルフはすべて我流。ベースボールグリップで、飛距離は出なかったが、パッティングとショートゲームにことのほか秀でていた。

そんな伝説のアマチュア、トラビスの口から出た名言が、「パットを制する者は世界を制す」。ゴルファーなら誰もが耳にしたことがあるだろうこの言葉は、パワーゲーム全盛となった今でも色あせることなく語り継がれている。


日ごろ往来を歩くときも
距離測定の修練をした。
直感力を磨くために

ウォルター・トラビス


あの角まで何ヤードか。目視で確認し、歩測して確かめる。日常生活から、こうしたことを習慣づけておくことで、ゴルフにおいて重要な距離感覚を養うことができる。

今では、カートのナビや精度の高い距離計測器でピンまでの距離を正確に把握できるので、見た目で距離を感じ取る能力は必要とされなくなりつつあるが、上記のトラビスの言葉で重要なのは、いつでもどこでもゴルフ上達のチャンスはあるということ。

ゴルフに限らず、「忙しいからできない」は言い訳にすぎず、本気でその道を究めようと思えば、歩いている時間ですら鍛錬の場になる。ビジネスの傍ら、34歳でゴルフを始めてわずか数年で全米アマを制するまでに至ったトラビスは、もちろん天与の才能もあったのだろうが、それ以上に、限られた時間をいかに効率よく使うかを考え抜いていた、デキる男の代表格といえる存在だったに違いない。

■ウォルター・トラビス(1862~1927年)

オーストラリアで生まれ、23歳のときに渡米。34歳でゴルフを始めた。それからわずか数年で全米アマチュア選手権優勝。ハロルド・ヒルトンやホーレス・ハッチンソンなどといった英国の強豪を破ってのことだった。その後も飛ぶ鳥を落とす勢いで全米アマ3勝。1904年には、外国人としてはじめて全英アマチュア選手権を制した。パターの名手として知られ、全英アマを制した直後、R&Aは彼が愛用するパター「スケネクタディ」のイギリス国内での使用を禁止したという逸話もある。