キャディさんのいないセルフプレーでは、残り距離のジャッジは自分次第。ヤード杭を目安にするのもいいけれど、距離計測器があれば正確に距離がわかり、自信を持ってショットすることができる。レーザー式とGPS式、ふたつの方式があるけれど自分に合っているのはどっち? 今回はレーザー式の距離測定器を酒井南雄人プロが解説。

距離が分かるだけじゃない!
距離測定器でスコアもプレー速度もアップ!

酒井　コースは目の錯覚を利用して、見た目と実際の距離に差があるように設計されていることが多く、正確な距離がわかれば距離のミスジャッジをなくせます。でも、それだけが距離計測器のメリットではないんです。

酒井　GPSナビが付いたカートも増えていますが、いざボールのところにいったら思った以上に距離が残っていて、クラブ替えに戻ったことがありませんか? パー3でもピンまでの距離がわかるのでクラブ選びに悩むことは減ります。打てる、打てないは別として。しっかりと距離をジャッジできれば無駄なショットや悩む時間が減るので自然とプレーも速くなるんです。

目標物までの正確な距離がわかる
レーザー式

目標にレーザーを照射し、光が跳ね返って戻ってくる時間で距離を測定する。誤差が1ヤード以内と正確で、高低差を自動的に計算してくれるモデルもある。

ただし、ブラインドホールやピンの見えない打ち上げなど、測りたい目標が見えなければ計測できず、GPS式に比べて本体が大きい。

酒井　ピンやハザードなど、自分が知りたい距離だけを正確に測れます。必要のない情報は入ってこないのでショットに集中できるのもレーザー式のメリットですね。ホームコースが決まっていて、コースの情報を把握できている場合や、自分の各番手の距離を正確に把握していて、マネジメントを磨きたい上級者におすすめ。普段の練習場で使えば距離感も磨けますよ。

直線100Y、勾配込み108Yのダブル表示
ピンまでの直線距離は100ヤードだが、打ち上げを加味すると打つべき距離は108ヤード。レーザー計測器に両方の距離が表示される。打ち上げだから大きめと感覚的に判断するのではなく、正確な距離を知った上でショットできる

216Yと170Yのダブル表示
直線距離が216ヤードで勾配12度の場合、打つべき距離は170ヤード。実に46ヤードも差があり、番手選びも大きく変わってくる。

最新モデル紹介

打つべき距離をビビッとお知らせ
ピンシーカー プロEXジョルト
（ブッシュネルゴルフ）

サイズ：44×114×84mm
重量：315g
防水等級：IPX7
電源：CR2リチウム乾電池1個
望遠倍率：7倍
測定可能距離：5~1300ヤード
測定精度：±1ヤード以内
表示単位：1ヤード

ブッシュネルの最新フラッグシップモデル。勾配計算（スロープ機能）に加えて、「気温・高度（気圧）」を加味して打つべき距離を表示する「エレメント機能」も搭載。本体側面には強力マグネットを内蔵し、ラウンド時の携帯もラクラク。

ピンをとらえると本体がビビッと振動。レンズ内のレッドリングが発光し、測定完了を即座に教えてくれる。

本体のスイッチで「直線距離モード」にすれば勾配角度・打つべき距離は表示されなくなるので、競技でも使用できる。

コンパクトで軽量。身につ行けやすい!
ピンシーカー ツアーVシフトジョルト
（ブッシュネルゴルフ）

サイズ：43×104×76mm
重量：162g
電源：CR2リチウム乾電池1個
望遠倍率：5倍
測定可能距離：5~1000ヤード
測定精度：±1ヤード以内
表示単位：1ヤード

スロープ機能、スロープスイッチを搭載した162gの軽量モデル。ジョルト（バイブレーション）機能で、ピンなど細かい目標物測定時に本体がビビッと振動し、測定完了を教えてくれる。

国内の一流光学機器メーカー製
驚きのコストパフォーマンス
レーザーレンジファインダー
KLR-600A（ケンコー）

サイズ：41×118×77mm
重量：220g
防塵防水保護等級：IP54
電源：CR2リチウム乾電池1個
測定可能距離：6~656ヤード
測定精度：100ヤード以内は±1ヤード以内、100ヤード以上は±2ヤード
表示単位：1ヤード（または1メートル）単位

ケンコーは光学製品の専門メーカーとして1957年に設立された、国内光学機器のリーディングカンパニー。カメラのレンズづくりなどで培った技術を応用し、生まれたのが「KLR-600A」だ。低価格でありながら、直線距離、傾斜の角度、高低差を踏まえた打つべき距離、傾斜や目標物の高さなど、5つの測定モードを搭載。

テストした酒井プロも「170ヤード先のとんぼまではっきり見える」と驚く。「木の高さも測れるので、木越えの時に役立ちますね。何よりもこの価格でこの性能とは、本当に凄いです」と絶賛。

防塵防滴仕様なので、雨の日のプレーも安心。

ラバーを使ったデザインは、滑りにくく片手でしっかりホールドできる。計測ボタンがソフトタッチで押せるので手ブレも少ない

次回は、初めてのコースやキャディさんがいないラウンドでも安心、GPS式の距離計測器編です。

週刊GD2019年10月8日号より