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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.25  狙いを絞らないと“罠”にはまる。日本屈指の難コース「古賀GC」14番パー5

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、福岡県にある古賀ゴルフ・クラブの14番ホール。

【名物ホールFile 25】

古賀ゴルフ・クラブ
14番ホール Par5
533Y(ベント)/497Y(バミューダ)

3度のナショナルオープン開催もうなずける
日本屈指の難コース

古賀GCの歴史は古く、1926年まで遡る。福岡県小郡市内に9ホールの大保ゴルフ場が開場。34年に18ホールとなったが、戦況が悪化した44年、陸軍に接収されてしまった。しかし48年、初代理事長である木曽重義らが中心となり、“古賀”は9ホールとしてスタートした。

海岸に接した松林には程よい起伏があり、老松も多くゴルフ場建設には最適な土地であった。適地と判断したコース設計者上田治が、その力量を発揮したのは言うまでもない。現在まで多くの公式試合が開催され、評価はかなり高い。

2019年10月、3度目の日本オープンが開催される前週に2度目のプレーで訪れたが、競技の数日前のため最高のコンディションだった。程よくうねるフェアウェイは、構えたときは広く感じるがバンカーは深く大きく、それを避けようと考えるとフェアウェイの幅はかなり狭い。しかも多くのグリーンが砲台のため、ピンを狙うには残り距離を正確に把握しなければならなかった。

14番ホールは左ドッグレッグで、1打目はフェアウェイ左側にあるバンカーを避けての打ち上げ、2打目は逆に打ち下ろしだった。ピンを狙う3打目はかなりの打ち上げになり、手前には広く大きなバンカーが口を開けていて、入れてしまうと脱出困難と思い、そこを避けてベントグリーンとの間を狙った。

日本オープンのセッティングでプレーしていることからボギーでも「よしよし」とした。なぜなら前回の日本オープン優勝スコアが+1だったことを思えばボギーでも上出来だからだ。

1948年に9Hで開場した当時、グリーンは芝がまばらでカップはブリキ缶だった。そのため“赤土の土俵グリーン”と言われた

古賀ゴルフクラブ

福岡県古賀市鹿部1310-1
18H・6814Y(ベント)、6366Y(バミューダ)・P72
コース設計/上田治


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2023年5月号より