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【キミこそ王子だ】Vol.289 柔軟性と力強さを兼ね備えたスウィングのイメージは『圧』?!山形愛溢れる東北ジュニアチャンプ

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は山形県出身、山形大学附属中学校3年の柴﨑香凛さん。東北ジュニアの覇者でさくらんぼと芋煮が大好きという、山形愛溢れる彼女のスウィングを武市が解説する。

今回の王女候補

柴﨑 香凛さん

しばさき・かりん ●主な戦歴/2022東北ジュニアゴルフ選手権12~14歳の部優勝 ●ベストスコア/67(塩原CC) ●練習/1日150球 ●トレーニング/週4日ジムで体幹、スクワット、ウォーキングetc


小学校5年のとき、クラスの友達に誘われてゴルフを始めた柴﨑香凛さん。残念ながらその友達は、現在ゴルフをやっていないそうだが、香凛さんは「東北ジュニアゴルフ選手権」で優勝するまでに成長した。

その完成度の高いスウィングに武市は毎度のことながら感心。

「柔軟性と力強さを兼ね備えた素晴らしいスウィング。常に体の右サイドが高く、上から下に力を使うのがとても上手だね」

香凛さんはフェードヒッターでドライバーの飛距離は約240ヤード。スウィング中、右の手首の角度が変わらずフェースローテーションが少ないので、安定してフェアウェイをとらえることができる。コーチは父親とのこと。

「スウィングで一番気を付けていることは?」

「圧です」

「圧!?」

武市は、ほぼ全員に同じ質問をしているが「圧」と返ってきたのは初めてだ。

「“でら”面白い! 詳しく聞かせて」


「左サイドが伸び上がると球が右に行ってしまうので、それを防ぐために、アドレスからトップまで常に足の裏に『圧』を感じるようにスウィングしています」という香凛さん。これを意識してから調子がグッと上がったそうだ。

「レッスンでは『脚を使え』って表現をするけど、単に脚を動かしても意味がないことは、ちょっとゴルフをやっている人なら知っているよね。特に、左右への体重移動をイメージすると軸ブレして、安定感が欠ける。『脚を使え』の本当の意味は、下(地面)方向に踏み込めってことなんだけど……これがなかなか難しい。体重計を2台用意し、そのうえに両足を乗せてスウィングすると分かるけど、ダウンで左足の体重計の数値が増える人は意外と少ない。香凛ちゃんは確実に数値が増えるだろうね。そのくらいきちんと踏み込めている。それは、トップからの切り返し以降、体の右サイドが常に左より高く上から下へ力を使えているから。さらにスゴイ点は、その力を回転スピードに生かしていること。だから、安定感もあるし、飛距離も出る。スバラシイ!」

「ありがとうございます」

「『脚を使う』がイメージできないアマチュアの人は、香凛ちゃんがいうように『圧』をイメージしてみたらどうかな? もしかしたらコツをつかめるかも」

小学校5年でゴルフを始め、わずか5年でここまで上達したことに関心しきりの武市。

「彼女に素質があることはもちろんだけど、ココはゴルフ環境が素晴らしいよね。練習場の打席はトラックマン付きだし、隣はジムだし……」

「データを見るのは好きなので、トラックマンは活用しています。ジムも好きなので週4日行っています」。

実は、山形県出身のトッププロはあまり多くないが、きっと彼女がその現状を打破してくれるはず。そう確信した武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月27日号より