昨年末の大畑大介と上原浩治による“同級生マッチプレー対決”は上原が勝利したが、リベンジを誓った大畑は10カ月の修行期間を経て急成長。師匠の青木翔コーチを伴い、万全の態勢で勝利を目指すも5Hで撃沈。開き直って2日目は好スタートしたが……。

ILLUST／Koki Hashimoto　TEXT／SHOTANOW　PHOTO／Hiroaki Arihara　THANKS／六甲国際CC

第一弾の結果は?

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  【待ってろ、ウエハラ!】ついに実現! 大畑大介vs上原浩治。マッチプレーは意外な展開に

  ラグビー元日本代表の大畑大介が、高校の同級生で元メジャーリーガーの上原浩治を打ち負かすべく、ゴルフの修業を積む本連載。小澤美奈瀬、青木翔、両コーチの教えを受け、ついにいざ決戦の舞台へ! PHOTO／Hiroaki Arihara　TEXT／SHOTANOW　THANKS／東松山CC 大畑大介（左）……1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング上原浩治（右……

大畑の乱調により5ホールでいったん打ち切りとなり、新たなスタートを切った同級生対決。1ホール目でパーセーブし大畑が1UP。2ホール目もボギーで引き分けて安定したプレーを見せる。

大畑　一晩寝て、調子が戻ってきたわ。

上原　悔しくて寝つきが悪かったって聞いたけど?

大畑　でもオレは追い込まれるほど力を発揮するタイプや。勝つイメージはバッチリできてるから。

3ホール目、540ヤードのパー5。距離がありバンカーも散りばめられた難易度の高いホールで、自称「逆境に強い」大畑だがショットは右へ大きく曲がってしまい……

大畑　そっちはあかん!　曲がりすぎや。

上原　あっ、「カーン」って聞こえたで。

大畑　ほんまや、跳ねまくってる。カート道やな。

上原　あんなに前に飛んで。高速料金払っていけや。

大畑　相乗りしてもええんやぞ。

上原　オレは地道に“下道”で行くわ。

上原は宣言通り、フェアウェイキープのナイスショット。2打目以降も巧みにバンカーを避け見事にパーオンする。一方の大畑は2打目からチョロ。それが引き金となったのか、ミスショットが続き、このホールは上原の勝ちとなった。

大畑　1つ取られたけど、まだイーブン。ここからや!　でも、さっきまでと体の動きが違う……。

上原　ラグビータイムか?

大畑　多分そうやね。ちょうど前半が終わる時間。気持ちがいったん切れて体も動かなくなるけど、ここで踏ん張らねば。

上原　お前はウルトラマンか。

ピコン、ピコンと大畑の集中力アラームが鳴るなか迎えた4ホール目、449ヤードパー4。悪い流れを止めるべく思い切り振りちぎった大畑のティーショットは「バキュイーン!!」と、とてつもない打球音を残して右サイドに。

大畑　これは飛んだで。

上原　振りまくったな。あれ、でもスタッフさん出てきたで。OBちゃう?

大畑　そんな……、今日イチの当たりやったのに。白杭あるなら教えてや!

上原　言われてたら安全に置きにいったんか?

大畑　いや、同じように振ったな。

上原　スタッフさんに謝れぇ（笑）。

上原のティーショットはフェアウェイ右サイドのバンカーに。大畑は悲しいかなOBで打ち直し。

大畑　それにしてもあのピコピコ測ってるやつ、ズルいわ。オレも欲しい!

上原　距離計か?　去年の対決で勝った時の賞品やで。ブッシュネルの高性能モデルで、かなり優秀。大介も勝ったらもらえるかもしれんぞ。

大畑　そうだったんか。あの時の悔しい記憶がよみがえってしまった。オレは自分を信じるのみ。“勘ピューター”で勝負や。

上原　同級生なのに、昭和のおっさんっぽいこと言うのやめい。自分がおっさんになった気になるやろ。

気を取り直して放った大畑の3打目は見事フェアウェイ。しかし4打目がグリーン右方向へ。パーオンを狙う上原はグリーンそばまで寄せた。

大畑　まあまあそんなこともある。

上原　そんな余裕こいてていいんか?　このホールをオレが取ったら、大介の勝ちはなくなるぞ。

大畑　そうだった!　なんとしてもこのアプローチを入れねば。

必死に食い下がった大畑だったが、OBが響き、このホールはトリプルボギー。上原が1UPとリードする展開となった。

大畑　OBは痛かった。けど、ラグビーだとハーフタイムが終わって後半の時間帯。ここから再始動するかな。

上原　なんか、今度はターミネーターに見えてきたわ。でもまぁ、次のホールを落としても、オレの負けはナシやからな。

大畑　ちょっと待ったー!

お決まり（?）となった大畑の「待った」。次回、波乱の最終回、何かが起こる!?

上原1UP、さあ大畑、ほんとに後がないぞ！

令和の武蔵になる

オオハタダイスケ

大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語する強メンタル&フィジカルでゴルフ修行フェーズ2へ

迎え撃つは

ウエハラコウジ

上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。大畑の挑戦に一度は“勝利”したが……

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より