Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 「クラブハウスだけクローズ」もある!? 電気代の高騰で英国のゴルフ場が悲鳴

「クラブハウスだけクローズ」もある!? 電気代の高騰で英国のゴルフ場が悲鳴

ロシアによるウクライナ侵攻の影響がヨーロッパ、特にイギリスのゴルフコースに影響を与えている? ロシアが天然ガスの供給をカットしたことによって、エネルギーコストが急激に値上がりしているのだ。

イギリスの主要な電気・ガスの供給元となっているのが、フランスのエネルギー会社であるEDF社。ここがこの1年間で電気料金を大きく値上げしているのだ。

例えばイングランドにあるゴルフ場「ブルームマナーGC」は、イギリスのゴルフビジネス誌のインタビューで、「8月の電気代の請求書は、8500ポンド(約140万円)だったが、9月には1万2000ポンド(約200万円)に値上がりしていた」と答えている。同コースのウェブサイトでは、「このまま値上がりが続けば6倍以上になる可能性もある。この状態が続くなかクラブハウスを開けておくことは、我々にとって自殺行為。イギリス政府がなんとかしてくれるまで、一時的に“クラブハウスだけ”クローズすることもありうる」としているのだ。

ゴルフビジネス誌は他の例も挙げている。「チャーチル&ブレイクダウンGC」では「これまで年間1万3000ポンドの電気代を支払っていたが、8月以降の電力単価(kwh)で試算すると年間4万8000ポンド、9月の単価で計算すると、年間7万5000ポンドまで跳ね上がる」と同クラブの名誉幹事が語っている。

一般家庭では、電気代が昨年より倍近くにはなっているものの、ここまで大きな値上がりはしていない。それは、家庭の電気代に関しては値上げの上限が定められているのに対し、ビジネスでの使用に関しては上限が設けられていないから。故エリザベス女王の最後の公務となったのはリズ・トラス新首相の任命だが、このトラス首相はエネルギー料金に対して大規模な改革を約束していることから、これに多くのゴルフ場が期待を寄せている。

熱波による水不足の次は電気代……イギリスのゴルフ場が苦境に立たされている(PHOTO/Hiroaki Yokoyama)

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月4日号より

こちらもチェック!

  • わずか1ポンドでツアープロや有名人と一緒にトーナメント仕様のゴルフコースを回れる? もっとも、これは英国のゴルフ宝くじ“Golf Lottery(ゴルフロッテリー)”で当てた場合に限った話。サッカーくじなどと比べればはるかに規模は小さいが、この夏に始まったゴルフロッテリーは、イギリスのNPO法人が運営するチャリティを目的とした資金集めの施策である。これを立ち上げたのが欧州シニアツアー全体の……
  • コロナ禍でゴルファーが増加したことは喜ばしいが、一方でイギリスのゴルフ場は窮地を迎えているという。いったいなぜか? 先ごろ発表されたイングランドの4〜6月の第2四半期のゴルフコースの入場者数は343万人で、コロナ前の19年の同時期に比べると83%もアップしている。これはゴルフコースにとって嬉しいことに思えるが、実はそうも言ってはいられない。というのも、入場者が増えたことによって芝へのストレ……