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【キミこそ王子だ】Vol.101 尾関彩美悠 中1でベストスコア62! 驚異の“曲がらない”スウィングを生んだ教えとは?

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、大阪府出身、岡山県・倉敷市立連島中学校1年、尾関彩美悠さん。彼女の持ち味は「とにかく曲がらない球」。いったいどうやったら打てるのか。その謎を武市が解き明かす。

今回の王女候補

尾関 彩美悠さん

おぜき・あみゆ ●主な戦歴/2016 中国ジュニア選手権 女子12~14歳の部 優勝 ●ベストスコア/62(新居浜CC) ●練習/毎日4時間250球 ●トレーニング/約2kmのランニング

尾関彩美悠さんは、祖父、父ともにティーチングプロというサラブレッド。6歳でゴルフを始め、ベストスコアが62の天才少女だ。

「いいねー。おじいちゃんとお父さん、どっちにも教われるじゃん」

「いや~、それぞれ別のことを言うので、小さいときは『いったいどっちが正解なの?』と悩みました」

「なるほど! そういう悩みもあるんだね」

おじいちゃんは、わきを締めてタメをつくり、リストターンしながらインパクトするという理論。一方、お父さんは、アドレスからフィニッシュまでなるべく両肩と手元の三角形を崩さずオートマチックに打つという理論。たしかに真逆のように思えるが……。

「実は、真逆じゃないんだな。両者ともに、スウィングの核心部分は一緒なの。ただ、昔の重いクラブで飛ばすには、おじいちゃんのように絞り込んでリストターンというアクションが必要。でも、彼女が使う今のクラブが、タメを意識しなくても飛ばせるようになっているから、お父さんの言うように三角形を意識して振るほうがカンタンというだけ」と武市は言う。

そんなわけで、現在はお父さんに教わっているという尾関さんのスウィングだが、その実力は?

「けっこう飛ぶね。それに、とにかく曲がらない! いや~、素晴らしい。どんな練習をしているの?」

「バックスウィングしないで、球を前に飛ばす練習です」

「フェースに乗せる感覚をつかむためね。それ、ボクもよくやったわ」

尾関さんは何食わぬ顔で披露してくれたが、実はこの練習、地味に難しい。フェースを真っすぐ出すイメージがある人は、まず失敗する。

フェースはもともと開く性質を持っているため、真っすぐ出そうとすると、開いてボールがフェースの上を滑ってしまうのだ。武市いわく「最大のコツは意識的にフェースターンさせること」。

しかし、彼女が目指す、三角形を崩さないスウィングは、コックやフェースターンなどのアクションを入れないのが正解では?

「いやいや、彼女はちゃんとコックもフェースターンもしている。ものすごく意識しているわけではないけど、しているのは確実。飛ばし屋とまではいかないものの、他に引けを取らない飛距離が出せるのはそのおかげ。ただ彼女の特徴は、それをすべて三角形のなかでこなしていること。だからスウィングがややアップライトのタテ振りになって見える。彼女がとことん曲がらない球を打てるのは、そこだよね」と武市は言う。

さらに「球をつかまえるには、リストターンまたはフェースターンの意識が必要! ほらね、おじいちゃんもお父さんも、表現方法は違うけど、結局、言いたいことは一緒でしょ」と付け加えた。

ふたりの素晴らしいDNAを引き継いだ、尾関さんの今後が楽しみだ。

週刊ゴルフダイジェスト2017年1月10・17日合併号より