【キミこそ王子だ】Vol.233 馬場咲希さん「超コンパクトトップからの緩やかブローに脱帽!」
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、東京都出身、日野市立日野第一中学校3年の馬場咲希さん。彼女のスウィングの特徴は「浅いトップ」と「緩やかな入射角」。これぞ最先端というスウィングに、武市も惚れ惚れ!
PHOTO/Hiroaki Arihara
今回の王女候補
馬場 咲希さん
ばば・さき ●主な戦歴/2019関東ジュニア選手権12~14歳の部 優勝 ●ベストスコア/65(真名CC) ●練習/毎日300球 ●トレーニング/毎日5kmのランニング
馬場咲希さんは身長174センチと恵まれた身体の持ち主。生まれたときから大きく、父親が「何かやらせたい」と思ったのがゴルフだった。5歳から本格的に始め、中学2年の時に「関東ジュニアゴルフ選手権(12~14歳の部)」で優勝した注目選手だ。
「本当に背が高くてカッコイイね。腕も足も長っ!」
会った瞬間、166センチの武市が感動を口にする。
スウィングをひと通り見せてもらった後も、興奮は冷めやらない。
「いや~、ヘッドが信じられないくらい低い位置から入ってくる。だから、入射角がめちゃくちゃ緩やかだよね。どうやったら、そうなるの? 何か意識してることはある?」
「えーっ、特に意識しているわけではないんですけど……」
「やっぱり、腕が長いからかな? ボクからしたら異次元だよ(笑)。トップもすごく浅いよね。バックスウィングで、左腕が腰の位置にきたときに、もう切り返してる」
「はい、トップは深くするとタイミングが合わないんです」
「なるほど~。低い位置で切り返し、そのままヘッドが低い位置をキープしたままインサイドからキレイにボールにコンタクトしている。ほんと、いまのクラブに合った打ち方だよね。バックスピンもサイドスピンも少なく、距離、方向性ともに安定している。素晴らしい!」
と、ベタ褒めの武市。
そんな咲希さんのスウィングを作ったのは2人のコーチだ。ひとりはドロー系のスウィング理論で、もうひとりはフェード系のスウィング理論だという。
元々、咲希さんはドローヒッターだったのだが、ときどきグリーン奥にオーバーしてしまうことがあり、それを改善する目的で、フェードの理論を学んでみよう、ということになったそうだ。ときどき、ごっちゃになってスウィングが安定しないこともあるそうだが、そのときはそばでいつも見ている父親がアドバイスをして軌道修正してくれるのだとか。
「ドローとフェードって、一見、真逆に見えるけど、ボールを芯でとらえるという核心部分は同じ。そのうえで、こうしたらこうなるっていうスウィングのメカニズムをより深く知れるから、二つの理論を学ぶのは、いいことかもね」と武市。
そして、最後に自ら得意と称するアプローチを見せてもらうと、これまたビックリ!
「メチャクチャ上手い!! ゆ~っくり振り、しっかりとボールをフェースに乗せているから、狙ったところへ打てる。ゆっくり振るのって、体幹が必要だから、難しいんだけど、彼女はサラっとやっている。才能かも」とこれまた絶賛。
4月から高校生となる咲希さんの目標は「日本ジュニアゴルフ選手権」での優勝! 恵まれた体格と、器用なクラブ捌きで、きっと日本イチになってくれるだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2021年1月19日号より
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- 7月某日、全米女子ジュニア、全米女子アマ出場を控えた馬場咲希の姿は八王子のゴルフ場にあった。ラウンドを終えると、同伴していたヘッドプロが「ノーボギーの66だよ」と、半ば“お手上げ”といった顔をした。そのゴルフを評して「カップしか見ていない」。全米女子オープン出場、予選通過で話題になった馬場の視線の、その先にあるものとは……。 TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Hiroyu……