イギリスのゴルフ場で充電スポット急速拡大へ。EV普及のモデルケースとなるか?
EV(電気自転車)がなかなか普及しない理由の一つに、充電スポットの問題がある。車が欠かせないゴルファーにとっても、長距離の運転にあたっては充電場所が一番のネックになる。そんな問題を解決すべく、イギリスでゴルフ場を中心とした充電スポットの拡充に向けた動きが加速している。
イギリス・チェシャー州に本社を構える「ゴルフマネジメントグループ」(GMG)が、ソーラーパネルや充電スポットの設置で英国の業界をリードする「プロジェクト・ベター・エネルギー社」とパートナーシップを結ぶことが発表された。
年間500万ポンド(800億円超)の資金力を持つと言われるGMGは、イギリスで500コースを超えるゴルフ場を対象とした、さまざまな商品の共同購入を行う企業。ここ10年ほどで急速に成長しているという。
「2021年の1月に、英国各地のゴルフクラブでEVスポットを設置するための調査を行ったが、1年半以内にメンバーやビジターのための充電スポットを設置したいと回答したクラブが87%もありました。私たちは日頃から多くの調査をし、信頼度が高く、しかも購入しやすい金額で提供してくれる会社を探してプロジェクト・ベター・エネルギー社とパートナーシップを結ぶことを決めました。これにより、今後このプロジェクトは加速するはずです」と語るのは、GMGのディレクターのスコット・パーティントン氏。
充電スポットの導入はゴルフコースだけにとどまらず、クラブメンバーの自宅への充電器の設置も含まれるといい、1台の充電器設置につき、50ポンドがジュニアゴルフのために寄付されるというのだから、ゴルフ界にとっても、個々のクラブやそのメンバーに対しても、ウィンウィンの状況を作り出している。
さらに充電スポットにとどまらず、ゴルファーが乗る車のEV化にも貢献しそうなうえ、クラブハウスのソーラーパネルや省エネ化も進むのでは、と周囲からは期待の声が上がっている。
温暖化によりコースメンテナンスも年々厳しくなる昨今、さらにガソリン価格の高騰や二酸化炭素の削減が叫ばれる最中にあってピッタリ。イギリスのクリーンエネルギーのフロントランナーは、ゴルフ界になるかも。
週刊ゴルフダイジェスト2022年6月7日号より