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「自分も前を見てプレーしようと思った」障害者ゴルファーの戦いに地元高校生も刺激

5月9日~10日に富山県の小杉CCで「第22回日本片マヒ障害オープン」「第2回北陸障害者オープン」(ともに日本障害者ゴルフ協会主催)が開催され、 熱い戦いが繰り広げられた。

PHOTO/Yasuo Masuda

第22回日本片マヒ障害オープン、第2回北陸障害者オープン(日本障害者ゴルフ協会主催)が開催され、地元・福井の強豪、福井工大付属福井高等学校のゴルフ部員たちが、ボランティアとして初参加した。

「練習は週に3、4回400球近く打つと聞き、努力をすれば必ず報われるという言葉を実感しました」(益田航・キャプテン)。「普段何気なく練習やラウンドしていることが、障害者の方には簡単ではないことがわかりました」(丹羽悠太・3年)。「日頃ゴルフで落ち込んだりしますが、皆さんが笑顔でプレーしているのを見て、自分も前を向いてプレーしようと思った。ボランティアの方々のすごさも感じました」(千葉空・2年)。「いつも以上に周りの状況を把握しながらキャディをするように心がけ、部活で教わった礼儀や気遣いを生かせたと思います」(甲陽介・2年)。「恵まれた体で生まれたこと、環境に感謝をし、今日のことをゴルフ生活に生かして頑張りたい」
「恵まれた体で生まれたこと、環境に感謝をし、今日のことをゴルフ生活に生かして頑張りたい」と試合後に口をそろえる部員たち。これからの人生に多くの学びを得たようだ。

初めて開催コースとなった富山・小杉CCの吉田清男社長もボランティアとしてラウンド。選手の明るさと強さに力をもらったという。

「親会社のアイザックには東京パラリンピックのボッチャ競技に出場した藤井友里子さんも所属しており理解がある。ゴルフもパラリンピックを目指す、全国各地で開催し多くの方に知ってほしい(昨年から3年は北陸地方開催)、という意義にも賛同して開催させていただきました。今後もっと認知されていけばいいと思います」

ゴルフを通じて“壁”のない社会を実現していくのもいい。

ゴルフが好きな者同士、横で歩きながらの“おしゃべり”の時間も貴重な体験だった

皆さんのプレーぶりや考え方も勉強になりました!

「車椅子の方はゴルフで最も大事な下半身が使えないなか圧巻のゴルフ。打ち方やプレーの進行を早くする方法など車椅子ゴルフについてたくさんの話を聞かせていただきました」(益田航・3年)

「片麻痺の方は歩くのを支える固定器具をしてプレー。ゴルフが好きだから、この大会を知ってもらい広めたいからと笑顔でプレーされていて、僕がいい気持ちにさせてもらいました」(千葉空・2年)

「体が不自由なのに18ホール回り切れることがすごい。それを達成するため、クラブの重量を軽くしたり、トレーニングするなど試行錯誤をしていると聞ました」(山川斗夢・3年)

「足が不自由な方がクラブを杖代わりにしてティーを刺したり、ボールを拾ったりするのも一苦労。それを手伝って自分の体と環境がどれだけ幸せか感じました。同伴競技者の方にもたくさん声をかけてもらい、とても楽しく明るくボランティアができた。自分の人生にとって本当にいい経験になりました」(松山怜生・2年)

「ゴルフが上手くなるため真剣に練習していた方が脳梗塞になってしまい万全な体でゴルフができなくなって。とても悔しくて今もゴルフを続けているとおっしゃっていました。体の動きが制限されているなかですごく上手にボールを打ち、スコアを作っていました」(永田智之・2年)

「障害があってもゴルフをするという考えがすごい。皆さん身体能力を鍛えて、サポートしなくても大丈夫なくらいのゴルフをされていました」(工藤僚・3年)

【片マヒの部】

右から、2位・廣田和美さん、優勝・北浦英樹さん、3位・植松秀信さん。不自由な半身の動きをカバーする工夫には頭が下がる

【障害総合の部】

右から、3位・小山田雅人さん。優勝・吉田隼人さん、2位・林剛和さん。吉田さんと小山田さんはティーチングプロ資格も持つ!

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より

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