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“このライン 既読のはずが 記憶なし” 第5回「ゴルフ川柳」最優秀賞を発表!<後編>

週刊ゴルフダイジェスト春の恒例企画「ゴルフ川柳コンクール」。第5回を迎えた今年も2998点もの作品が寄せられた。その中から、審査委員長の林家正蔵と編集部が悩みに悩み、優秀作品を選定。栄えある2022年の最優秀作品は?

PHOTO/Akira Kato


恥ずかしい パットラインを 残す霜
(神奈川県・せきぼー・48歳)


正蔵 冬でしょー。グリーンが霜で真っ白で、パットのラインが残るんですよね。

GD すると、ときどきとんでもないラインがある(笑)。

正蔵 後の人を悩ますためのダミーのラインなのかな(笑)。

GD “つわものどもが夢の跡”ってことでお願いします。


欲入る パターは何処だ コレクター
(三重県・ミキティー・65歳)


正蔵 お上手。この方はハガキの応募ですか。あー、これが縦書きだったら、もっと雰囲気が出たかもしれない。

GD ネットの応募も横書きになっちゃうんですよね。カタカナや英語だと横書きがピタリとハマったりしますけれどね。



グリーン上 寄せては返す 波のよう
(東京都・かざりぬ・31歳)


正蔵 これは哀愁がありますね。

GD グリーンの上を行ったり来たりー♪

正蔵 柏原芳恵さんコーナーは終わりましたよ。


シューでなく フュルルと鳴った 俺の球
(大阪府・ペースかめ・37歳)


正蔵 ビューンじゃなくていい、せめてシューと飛んでほしいところ、フュルルという擬音がうまいですね。すごくよくわかる(笑)。


行きたいね 技のデパート どこにある
(東京都・どっくん・54歳)


GD 伝説のデパート!

正蔵 そう、有名だけどどこにあるのか誰も知らない。銀座じゃないな。新宿にもない。すごく行きたい(笑)。

GD 両国あたりにありそうな気が。

正蔵 それ、舞の海の影響でしょ(笑)。

GD 確かモンゴルにも支店があったような……。

正蔵 旭鷲山でしょ。「技のデパートモンゴル支店」(笑)。ゴルダイさんに疲れが見えてきたようなので、ここからレジェンド級の皆さんの作品をどどっと紹介。


バウンスバック 意味はわかった 縁はなし

このライン 既読のはずが 記憶なし

(宮城県・パンキー太朗・64歳)


GD 出た、前回最優秀賞のパンキーさん!

正蔵 特に2作目。なにこれ、うまい……。パットのラインとLINEがかかっていて、既読と記憶が韻を踏んで……完璧じゃないですか。

GD グリーン上で「あー、このライン前も読んだぞ、でもわかんない」。スマホを見て「確かにラインもらってるな。俺も『了解』なんて答えている。でも覚えてない」みたいな……。


上手いけど ひと癖ありそな 人揃う

一打ごと ハッとしムッとし ホッとする


ハエたたき 間が出きてたと 妻ほめる

(鹿児島県・大野究さん・66歳)


GD すでに殿堂入りの大野さん!

正蔵 やっぱり信頼と実績のクオリティ。大野さんは絵もお上手なんですね。今回はイラストととともにご紹介しましょうよ。だって「ひと癖ありそな」この組、見てよ。面白そうだけど、絶対入りたくない(笑)。

GD 「ゴルフ侍」に出てきそうな人たちですねー。そしてお次はこちら。


5・7・5 ボギー、トリ、ダボの スタートだ
(青森県・西村明さん・68歳)


GD こちらも最優秀賞経験者の西村さん!

正蔵 あ、これすごーく惜しい感じがする。その日のラウンドが5・7・5で始まると……。

GD 川柳じゃん! って。

正蔵 「スタートだ」の部分が別のワードなら……。

GD そのワードがなんなのか今思いつかないけれど……。

正蔵・GD 惜しーい!

GD そして、今回のコンクールを締めくくるのは、コンクールでは初登場のこのお二人。


設計と 施工の違いで このスコア

始めチョロ 中パーパーで 締めはトリ

嬉し気に ナイストライと 言うなかれ
(北海道・岡部隆義さん・84歳)

悪いとき どう打つのかが わからない
いいときは どう打ったかが わからない
(岩手県・新沼伸一さん・62歳)


正蔵 うわー。どれもいい作品ですね。ちょっとびっくり。

GD 川柳コンクールでご紹介するのは初めてだと思いますが、通常の川柳コーナーの常連さんのお二人です。

正蔵 どれだけ有望なニューフェースかかえているんですか! まずは岡部さん。私が特に好きなのは「設計と施工」かな。まず、「設計」と「施工」というワードセンス。うーん、もともと建築家とか、もしくは大家さんとか(笑)。一見、ゴルフと関係のない言葉が不思議とピタリとハマりますね。こういうふうにティーショットして2打目で花道に……というのが設計。で、実際に打ってみたら、曲がったしヘンなライだし……というのが施工。あー、面白い。

GD 新沼さんは、連作というニュースタイル。

正蔵 連作の魅力が最大に発揮されていますね。悪いときといいとき……ああ、この気持ち、よくわかります。またも恐るべき新人さんだ。選べないじゃないですか。

GD ここは師匠、頼みます!

正蔵 今回は、まさかの連続最優秀賞! パンキーさん、殿堂入りでーす。

GD パチパチパチ。

<最優秀賞>

このライン 既読のはずが 記憶なし
(宮城県・パンキー太朗・64歳)

<優秀賞>

設計と 施工の違いで このスコア
(北海道・岡部隆義さん・84歳)

悪いとき どう打つのかが わからない
いいときは どう打ったかが わからない

(岩手県・新沼伸一さん・62歳)

<佳作>

恥ずかしい パットラインを 残す霜
(神奈川県・せきぼー・48歳)

課長のティー さっき落とした 俺のティー
(埼玉県・ホンマのわたちゃん・59歳)

柏原 明日架を芳恵と 言う常務
(神奈川県・そうすけ・47歳)

<特別賞>

妻が逝く スイングチェック ズバッだった
(長野県・北沢豊治さん・82歳)

デキる妻 3歩下がって プレイ指示
(埼玉県・ざきじゅん・38歳)

<殿堂入り>

大藪秀髙さん、大野究さん、パンキー太朗

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より