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冬のセントアンドリュースでは「マットから打つ」が常識? 理由に納得!

ゴルフの聖地、セントアンドリュースから届いた1枚の「フェアウェイマット」が、ゴルフコース設計家協会の一部で話題になっている。

セントアンドリュース・オールドコースでは10月~3月までの冬季、フェアウェイからのボールはマットから打つように、会員たちに通達される。ただし強制ではなく、あくまでも「お願い」という形をとっている。

ボールは“あるがまま”がゴルフの原則だが、スコットランド芝は、寒冷地用といえど冬季には生育せず、いわば“冬眠した”状態。だから春までの期間中に芝を保護するため、マットの使用を奨励しているわけだ。これはオールドコースだけでなく、他のクラブでも実施しているところもあれば、議論のさなかにあるコースも。実施しているのは、世界的に有名な“レダングリーン”を有するノースベリックGC。議論中なのは、世界最古の倶楽部組織を持ち、全英オープン開催でも知られるミュアフィールド。

このことは、冬季に現地を訪れないとわからないことだが、そういう物好きな(?)R&A会員が日本にもいるのだ。日本ゴルフコース設計者協会会員でありJGAゴルフミュージアム参与も務める武居振一氏。氏はリンクスフリークで、英国のそれを350コース以上、巡っている。「R&A会員たちはオールドコースを世界に誇る財産と考えていて、それを保護するためなら、マットから打つのも辞さない、ということです」(武居氏)

この武居氏を通じてマット購入を依頼したのは、造園会社で1級造園/1級土木施工管理技師の八和田徳文氏。現在、札幌GC輪厚Cで改修事業も行っている芝の専門家だ。

「(マットは)以前からスコットランドで使われており、昨年からR&A、USGAでも推奨しだしたことを知りました。それで設計者協会で知り合った武居さんがR&Aの会員と知り、送付を頼みました。日本の芝も種類によって違うのですが、11~3月の気温では芝は生育しません。その間、フェアウェイだけ芝の保護のため使ったら、春には素晴らしい芝が生え揃います。マットの使い心地は、打感が最高にいいですよ。というのも練習場の人工芝からの延長で違和感もないし、ダフリも解消されて、ビギナーにはむしろ上達に役立つかもしれません」(八和田氏)

たかがマット、されどマットといったところか。

これが八和田氏がスコットランドから取り寄せたマット

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