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【キミこそ王子だ】Vol.267 きっかけは隣の席の女の子!? 驚異のパーオン率を誇る日本イチの中学生

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、栃木県出身、鹿沼市立東中学校3年、常盤和也くん。昨年、全国大会での優勝ほか、各大会で優秀な成績を収めている逸材だが、ゴルフを本格的に始めた意外なきっかけとは?

今回の王子候補
常盤和也くん

●主な戦歴/2021 全国中学校ゴルフ選手権 優勝 ●ベストスコア/64(鹿沼CC) ●練習/週3回2時間150球、週末ラウンド ●トレーニング/ランニング毎日3キロ、筋トレ週2回


昨年夏、「全国中学校ゴルフ選手権」で優勝した常盤和也くんが、クラブを握ったのは3歳。そのときは遊び程度だったが、小学1年のとき、ある少女との出会いが彼の人生を変えた。

それは、以前、このコーナーでも紹介した松原柊亜(しゅあ)さん。現在は千葉県在住だが、小学1年当時は栃木に住んでいて、和也くんと同じ小学校に通っていたのだ。しかも、1年生のとき同じクラスで席も隣同士だったという。柊亜さんに声をかけられたことがきっかけで、本格的にゴルフをやるようになったという。

そして偶然にも、昨年の全国大会でそろって優勝! この事実に、武市は仰天。


「柊亜ちゃん覚えてるよ。飛距離が出る良いスウィングだった。ていうか、同じ学校で隣の席だったなんて、すごい
偶然だね。当時のクラスメイトはふたりのサインをもらっておくべきだったね(笑)」

「あの時、彼女にゴルフを誘われなかったら、今の自分はなかったかもしれないので感謝してます」

そんな和也くんのスウィングはというと「良い意味で異次元」と武市。

大きな特徴はボールが本当に曲がらないこと。先日も試合で、全ホールパーオン(パーオン率100%)し、66で回ったという。

その鍵となっているのがグリップ。

「和也くんのグリップは、左手が特徴的。親指以外の4本はスクエアなんだけど、親指だけ(本人から見て)左にズラしている。普通、両手でグリップすると、左手の親指は、正面から見ると右手に隠れて見えないんだけど、彼の場合は見える。フェースローテーションがしにくいから、左に行くことがなくなる」

いまだと、デシャンボーのグリップに近いと武市。

ただ、ローテーションが少ないぶん、爆発的な飛距離はない。その点を彼はきちんと理解し、体の使い方を研究。回転スピードを上げることで、飛距離アップを図っているという。

「もともとターフが深くとれるタイプだったのですが、体の回転スピードを速くする努力をしたら、自然とターフが
浅くなっていました。それに気づいたら、全国で勝つことができました」

「体の回転スピードをアップすることで、クラブがレベルに入るようになったんだね。手首のローテーションも少ないから、球は左右に散らばらない。プラス、レベル軌道によって、ロフト通りの球が出る。これなら、パーオン率100%も納得だよ」

和也くんはショットだけでなくアプローチも巧みだ。状況に応じて、いろんな弾道を打ち分けることができる。

「ピッチ&ラン、ランニング、ロブ、ふわっと上げてちょっと転がす、スピンでキュッと止めるなど、5種類くらいあります」

「コースマネジメントを考えることも好きっていうくらいだから、常にいろいろ試行錯誤して工夫して考えているところが中学生とは思えないよ! これからも期待してるからがんばってね」

思考の深い彼を心から応援する武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より