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“25歳以上で最も強いアマ”豊島豊(44)。168cm、変則スウィング…「飛ばない男」の強さの秘密とは?

2021年の「日本ミッドアマ」を制したのは、44歳の豊島豊(とよしまゆたか)。20代の若者たちをも寄せ付けない圧倒的な強さで3度目の栄冠に輝いた最強の社会人ゴルファーは、どのようにしてここまで強くなったのか?

「25歳以上の男子アマチュアゴルファー日本一を決める」日本ミッドアマチュアゴルフ選手権は11月下旬、スプリングフィールドGC(岐阜県)で行われた。3日間首位を明け渡さず、豊島は2位の水上晃男に6打差をつけて完全優勝を果たした。

15年、18年にも同大会を制している豊島はこれで通算3勝となり、現シニアプロ・田村尚之の持つ最多優勝記録に並んだ。

豊島は1977年、埼玉県生まれ。ゴルフとのなれそめは15歳のとき、父親が行く練習場についていったのが最初という。高校卒業後、進んだ中央学院大学では体育会ゴルフ部に入部するものの、「アンダーパーで回れたのはわずか1回」と豊島。

大学時代の腕前を証明(?)するのはカメラマンの宮本卓氏だ。「彼が大学3~4年の夏休み、僕が在住していたロスのゴルフ場で偶然会って一緒にラウンドし、その後も英国などで回りましたが、上手いと思ったことは一度もありませんでした」と笑う。

社会人になってから上達した秘訣を問うと「ホームコース(強豪が集う東千葉CC)を持って、競技に出るようになってからですかね。コースの実力者からコースマネジメントや理論立てたスウィングを学び、やさしいクラブに替えてから自分のゴルフができるようになってきました」と豊島。

出張が多いせいで練習時間は全くとれず、プロコーチがついているわけでもない。変則打法──テークバックが極端にアウトサイドに上がる──で168㎝と身長にも恵まれない。ドライバーの飛距離もミッドアマのなかでは最低クラスだと自認する。それでも豊島が強いのは、社会人ゴルファーにとって“考えるゴルフ”が大事という証左だろう。

あのアーノルド・パーマーの名言を思い出す。「自信ある我流は自信なき正統に勝る」。

「全米ミッドアマ」にも参戦予定(PHOTO/Hiroaki Arihara)

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月11・18日合併号より