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【キミこそ王子だ】Vol.263「憧れはタイガー」中学生の日本チャンプは驚異の300Yヒッター

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は宮崎県出身、宮崎市立赤江中学校3年の丸尾怜央くん。圧倒的な飛距離を武器に、今年「日本ジュニアゴルフ選手権」のタイトルを獲った注目選手。その飛ばしの秘訣に武市が迫る。

今回王子候補
丸尾 怜央くん

まるお・れお ●主な戦歴/2021日本ジュニアゴルフ選手権 12~14歳の部 優勝 ●ベストスコア/65(宮崎国際空港CCほか) ●練習/1日100球


体を動かすことが大好きな丸尾怜央くん。幼いころから、水泳、陸上、サッカー、新体操と様々なスポーツをやっていて、ゴルフは10歳のときに始めた。父親が子どもたち(姉、怜央くん、妹)を遊ばせるために、近所の打ちっぱなしに連れて行ったのが、きっかけだ。しばらく、ほかのスポーツと並行してやっていたが、サッカーや新体操は休むとチームに迷惑がかかるため、“泣く泣く”ゴルフ1本に絞った。

「本当は全部続けたかったので、泣いて親に頼んだんですが、ダメでした(笑)。でも、今はゴルフが楽しいので未練はありません」と怜央くん。

夏に行われた「日本ジュニアゴルフ選手権」で優勝し、ノリに乗っている。得意クラブはドライバー。実際打ってもらうと、300ヤードを優に超える飛距離に武市も絶句!! 

「飛ぶね! 秘訣はなに?」

「思い切り振ることです」


「中学3年生らしい! でも、それだけ飛ぶと、何を考えて振ってるか、興味あるわ。教えて!」

「う~ん、腕と肩の三角形を崩さず、肩の回転を重視しています。あとは、バックスウィングで下半身を回しすぎないことです」

「なるほどね~。肩を回転させ、腕は胸の動きについてくるだけって感じなんだね。下半身も言う通り、動きが実に静か。バックスウィングで右に全くといっていいほどスライドしてない。ひざ頭がずーっと正面を向いてるもんね」

すると、武市は怜央くんのドライバーに目を留めた。

「短いよね」

「44.5インチです。中学1、2年までは、長いシャフトだったので、よく曲がってました。でも短くしたら、曲がらなくなり、試合でも勝てるようになりました」

「ロフトは8.5度? 普通、そのスペックだと、球が浮かないんだけど、ちゃんと浮くもんね。きっと怜央くんは、新体操をやってたこともあって、肩甲骨周りがすごく柔らかいから、肩の可動域が広い。さらに、腕の力を使わないことで、腕のしなりが生まれる。シャフトは短くて硬いけど、腕がシャフトの代わりをしてくれるからね。それだけ飛んだら、ゴルフ面白いよ(笑)。すごくいいスウィングだと思うから、これからも、ガンガン飛ばしちゃって!」

「はい。ありがとうございます」

怜央くんの憧れの選手はタイガー・ウッズ。全盛期を知らない年齢だが、過去の試合を見て魅了されたという。

「どういうところが好きなの?」

「決めるところを、きっちり決める、勝負強さです」

試合前はタイガーの動画を見て、テンションを上げているのだとか。

最後に今後の目標を聞くと

「18歳でマスターズ優勝することです!」
と答えてくれた。

「おお、頼もしい! そうなると、タイガー・ウッズが持つ21歳の最年少優勝記録を塗り替えだ」

日本人のマスターズ優勝が、叶わぬ夢ではなくなった今、ジュニア選手が高みを目指すことに、驚きと喜びを感じる武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より