【キミこそ王子だ】Vol.358 “負けたくない”からついつい練習 高1で九州女子を制した逸材
雑巾王子のキミこそ王子だ!!
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は福岡県出身、福岡第一高等学校1年の橋本ゆうさんだ。本年度、九州女子でナンバーワンの栄光を勝ち取った期待の星。武市がゆうさんのスウィングの魅力を解説する。

今回王女候補
橋本 ゆうさん
はしもと・ゆう ●主な戦歴/2025九州女子選手権優勝 ●ベストスコア/68(芥屋GC) ●練習/多い時は8時間800球 ●トレーニング/毎日ランニング20分など
今年5月に行われた「九州女子選手権」で優勝した橋本ゆうさん。まだ高校1年生なのにスゴイ! と興味津々の武市。ゆうさんがゴルフを始めたのは小学校1年のとき。
「父親に誘われたのがキッカケです。ひとりで練習場に行くと母に気まずいということで私を連れて子守りをしているぞっ! という体にしたかったらしいです(笑)」
「あるあるだね(笑)。それでゴルフは楽しかった?」
「最初はそうでもなかったです。でも小4ぐらいで試合に出るようになり、同級生とかほかの子たちに『勝ちたい!』という感情が芽生えてきて、そこから真剣に取り組むようになりました」
「なるほどね! 楽しいより勝ちたいが先だったわけか」
ニコリとするいい意味で負けず嫌いのゆうさん。「ほかの人に負けたくない」気持ちはもちろんだが、「自分に負けたくない」気持ちも強いのだとか。そのため、練習は時に8〜9時間に及ぶことも。
「自分が思い描いているスウィングやショットが1発出ただけじゃ満足できなくて……。何球も連続で打てるようになるまでやってしまうんです(笑)」
「向上心の塊だね。誰かに『やりなさい』って言われたらそんなにできない。自発的に練習しているからこその練習量だね」
感心しきりの武市はスウィングも「スバらしい! 特にひざの使い方が柔軟でよい!」と称賛。
「ゴルフは体の回転が大事だと言うので、以前は腰を回転させることで体を回転していました、でも曲がっちゃって……。それで少し足の使い方を意識しました。そうしたら球筋が安定するようになりました」
「そうなんだよね! 腰の回転は、腰だけ回転させようとしても上手くいかない。特に、ダウンスウィングで左足に体重が乗る前に腰を回転させてしまうとスピンアウト、つまり腰が引けて体が開いて振り遅れてしまう。実は、体の回転っていうのは、左ひざを曲げて伸ばすことで回るのが正解。ただし、インパクト前に一気にポーンと伸ばすと、これまたスピンアウト状態になっちゃうから注意が必要。その点ゆうちゃんは、ダウンスウィングで左ひざをインパクトまで耐えて、ゆ〜っくり伸ばしているんだよね。
もちろん、スウィング中の動作だから、そこまでゆっくりではないんだけど急激に伸ばすのではなく、自然な動きで伸ばしているイメージ。だからインパクトゾーンが長い! 加えて上半身もクラブを上から下ろしながらアドレスすることでわきをしっかり締め、体からクラブが外れないように振っている。結果、クラブがネジれず正確な球が打てているスバらしいスウィングだと思う」
憧れているのは申ジエ選手。
「淡々としたプレースタイルやアプローチの引き出しが多いところも参考にしたいです」
「目の付けどころがいいね。ゆうさんのように自分に厳しい選手は、もっともっと強くなるよ」
今後のゆうさんの活躍に期待を寄せる武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号より


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