【キミこそ王子だ】Vol.355 四国アマを制した逸材のゴルフの先生は同級生の女子高生!?
雑巾王子のキミこそ王子だ!!
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は和歌山県出身、高知中央高等学校3年の浅田千年樹くん。5月に行われた「四国アマチュアゴルフ選手権」で、並みいる強豪を制し見事優勝。その強さの秘訣に武市が迫る。

今回の王子候補
浅田 千年樹くん
あさだ・せんじゅ ●主な戦歴/2025 四国アマチュアゴルフ選手権優勝 ●ベストスコア/64(屋島CC) ●練習/毎日2~3時間 200球 ●トレーニング/筋トレ(週2~3回)
見るからに良いことありそ〜な名前の浅田千年樹くん。“センジュ”という名前は、長寿を願い命名されたとのこと。両親が個人の主体性を尊重する教育方針だったため、小さい頃から「やりたい! 」と思うことは、自由にやらせてもらえたそう。
「ゴルフは3歳から始めましたが、ほかにもテニス、体操、水泳、バスケ……いろいろやらせてもらいました」
「そこからゴルフ一本に絞ったのも千年樹くんの意思? 」
「はいそうです」
実は千年樹くんは和歌山県の出身。中学時代はとくに注目される選手ではなく、ゴルフの道を諦めようとしたこともあったそうだ。
「中学で全国大会に一度も出られなかったらクラブを置こうと思いました。そう覚悟して、全身全霊で練習したら最後の最後に出ることができたんです。あのときは本当にうれしかったです」と振り返る千年樹くん。
そして、中学卒業後は親元を離れ高知の高校に入学。今年5月「四国アマチュア」のタイトルをつかんだ。
「四国って強い選手が多い印象。松山英樹プロは、その筆頭だけど。やっぱり強い選手と一緒に練習すると強くなるのかな」
「それはあると思います。でも、僕のゴルフの先生は関東にいる同級生の女子選手です」
「え〜、どういうこと? ちなみに誰さん? 」
「女子のナショナルチームに所属している新地真美夏(共立女子第二高等学校3年)さんです」
スウィング動画を送って率直な意見を交換したり、気になっていることを相談する感じだそうだがとても参考になるという。そんな千年樹くんへの武市評は?
「単刀直入に言うと、とても賢い選手。両親から自由に育てられただけあって、自分で考えて行動する力があるよね。昔、彼は緊張すると力んでしまったり、体を左右に揺さぶってしまう癖があったそうだけど、それを克服するために腕に力を入れないことと、下半身を踏ん張って上体をスウェイさせない練習を徹底的にしたんだって。そんな努力が実を結び、今は腕が柔らかく使えているからシャフトのしなりをいい感じで使えている。
一方で下半身は、ダウンスウィングからインパクトまでは左足の裏をめくらずに我慢しているのが分かる。スウェイによるパワーロスは絶対避けるという気迫が伝わってくる。そこから溜めたパワーをインパクト直後に一気に解放して下半身をパワフル高速回転! この上半身のしなやかさと下半身の力強さのバランスがとても良い。
彼は『こうしたい』>>『どうすればいいか?』>>『こうしてみよう』というのを自分の頭で考え行動する。そんなスタイルが彼の魅力で強みな気がするな〜。あと、男女関係なく意見を交換して切磋琢磨しているところも昭和なボクからしたら新鮮。でも、すごくいいよね。羨ましいわ!」
「ありがとうございます」
「10年、20年…いや名前の通り、千年先も記憶に残る選手を目指してがんばれ! 」と応援する武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年9月23日号より


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