【キミこそ王子だ】Vol.352「全ショット弾道をイメージ」「パットは状況によってグリップを変える」感性豊かな注目の中学生
雑巾王子のキミこそ王子だ!!
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は東京都の府中市立浅間中学校2年、小澤優仁くんだ。中2にして関東アマ3位に入るなど、さまざまな大会で優秀な成績を収めている彼のスウィングとは!?

今回の王子候補
小澤 優仁くん
おざわ・ひろと ●主な戦歴/2025 関東アマチュアゴルフ選手権 3位タイ ●ベストスコア/64(ラ・ヴァジェ・コースタル・クラブ@サンディエゴ) ●練習/自宅でアプローチ&パター練習を毎日2時間、打ちっ放し週2日・200球 ●トレーニング/毎日ストレッチやスクワット30分~1時間
「初めまして。今日はよろしくお願いします!」 と言い、武市に名刺を差し出す中2の小澤優仁くん。
「名刺持ってるの? 普段はどんなときに渡すの?」
「一緒にラウンドする大人の方にご挨拶するときです」
名刺の表には名前、裏には2022年「世界ジュニアゴルフ選手権」優勝ほか、これまでの輝かしい戦歴が記されている。
優仁くんとゴルフとの出合いは小1。父親がやっていたのを見て楽しそうだと思い、自分から「やりたい」と申し出たそうだ。同時期に野球もやり始め中1までは野球部に所属していた。
「バッティング練習はヘッドスピードを上げるヒントになりました。あと変化球とボールを曲げるイメージ、イレギュラーバウンドとボールがカップに蹴られるイメージが僕のなかでつながるので、野球はとてもいい経験になりました」
コーチの川上優大プロも野球経験者なので話が合い、野球に例えた説明もすっと頭に入ってくるそうだ。
優仁くんが目指しているのは“効率の良いスウィング”ということだが武市の感想は?
「めちゃくちゃ器用な選手という印象。彼の原動力は回転力。トップから軸を保ちつつ右のお尻をグイ〜ッと押し込むのが特徴。飛球線後方から見ると、インパクトでお尻のほっぺがキレイに2つ見えるくらい押し込んで回転しているのに軸ブレしてないから、本人が目指す通りボールに効率よく力を伝えられている。実際、中2とは思えないほど飛ぶしね。フェース面がスウィング中にどうなっているか把握しているので、インテンショナルにボールを曲げることも楽勝だよね。昔、僕がゴルフを始めた頃、『ゴルフは思った場所にボールを止めるスポーツだ』って教わったけど、彼ならそれを体現できるよね、きっと」
「ありがとうございます。おっしゃる通り、僕は球を曲げるのも大好きです。全ショット必ずどんな弾道で攻めるかイメージし、それによって球の位置やスタンスの向きを、少しずつアレンジします。ときには人物をイメージして打つこともあります」
「例えば?」
「飛ばしたいときはローリー・マキロイ選手、フェアウェイバンカーはラドビッグ・アバーグ選手です。あと、パターは状況によってグリップを変えることもあります。下りのスライスはクロー、上りのフックはクロスハンド、ロングパットはベースボールグリップです」
「マジで!! 面白いね〜。『真っすぐしか打ちません』と言ってロボットみたいなスウィングをするんじゃなくて、いろんなイメージを膨らませて、いろんな球で攻める。それでこそゴルフは楽しいって僕も思うな。優仁くんは感性も豊かだし、それを再現する才能もある。将来が本当に楽しみな選手」
将来の夢は「マスターズの舞台で、世界中のゴルフファンに感動してもらえるようなプレーをすること」と語る優仁くん。
その時まで名刺を大切に保管しておこうと心に誓う武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年7月15日号より


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