【キミこそ王子だ】Vol.343 脚力を生かした伸び上がらないスウィングでパワーを逃さず伝え切る!

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、福岡県出身、沖学園高等学校2年の叶結衣さん。学校生活をエンジョイしプロゴルファーを目指す日々。そんな彼女のスウィングを見た武市は「脚の使い方が最高」と大絶賛!

今回の王女候補
叶結衣さん
かのう・ゆい ●主な戦歴/2023 九州女子選手権競技3位 ●ベストスコア/64(鷹羽ロイヤルCC) ●練習/毎日2時間300球 ●トレーニング/週2回1時間
叶結衣さんが初めてクラブを握ったのは小2。祖父と一緒に練習場に行ったのがキッカケだ。さらに、ゴルフ好きの伯父も楽しそうに練習している結衣さんの姿を見て「プロになりなよ!」と声をかけた。その言葉をポジティブに解釈した結衣さんは、小5ぐらいから、プロゴルファーになることを意識し練習するようになったという。
センスと努力は着実に実を結び、中学から大会でコンスタントに好成績が出せるようになり、注目選手の仲間入りを果たした。
「結衣ちゃんは、どちらかというと小柄な選手。ボクもだから、そういう選手ががんばってる姿を見ると、無条件に応援したくなるんだ。そんな主観を抜きにしても素晴らしいスウィングだよ」と拍手を送る武市。
「インパクトで絶対に力を逃がさない、という心意気を感じるけど、どんなことを意識してスウィングしているの?」
「前傾角度を崩さないようには気を付けています」
「インパクトで一瞬、止まったように見えるけど、それは前傾角度が崩れていない証拠だと思う。それと、とにかく脚力がありそうで使い方も上手。スウィング中、母趾球が地面から離れていないのがシューズの上からでも分かる。だからスウィング中、脚が左右へ流れないし、インパクトでひざが伸び切らないのがいいよね。腰が回転せず、ひざが伸びちゃうと体が浮いて力が逃げちゃうから、ボールにパワーが伝わらない。でも結衣ちゃんは地面を踏みしめつつインパクトするからパワーをすべてボールに伝えられている。スウィング中の前傾角度が変わらなければ、クラブは体の内側から下りてくるし、ナチュラルで綺麗なドローボールとなる。ある程度ランも出るから飛距離も十分だし何より安定感が抜群! 小手先のスウィングじゃないから、ミート率が高い!」と絶賛する武市。
話を聞くと、週2回のペースで行っているトレーニングは下半身中心とのこと。自身が努力していることを認められ、うれしそうな表情の結衣さん。
さらに、パターのストロークを見て感心する武市。
「迷いのないストロークでいいね。見ていて気持ちがいい」
「ありがとうございます。パターは子どもの頃から好きでした」
「そうなんだね。パターって地味な動きで退屈じゃなかった?(笑)」
「単純にホールに入れるのが楽しかったと記憶しています」
宮里藍プロが主宰する試合に出て以来、「藍さんのようにみんなに好かれるプロになりたい」と公言するようになったという結衣さん。
「彼女は明るく話し方も明瞭! ボクも一気にファンになったよ」
目標に着実に近づいていることを確信する武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年2月18日号より