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【企業ゴルフ選士】Vol.9 第一ビルディング・飯塚均さん「中途半端はダメ。突き抜けて初めてリスペクトされます」

戦うだけのゴルファーではなく、会社に認められ、選ばれたゴルファーである“企業ゴルフ選士”をクローズアップ。今回の選士は第一ビルディングの飯塚均さん。

ORGANIZER/Hironori Kogure PHOTO/Tsukasa Kobayashi THANKS/筑波CC


今週の選士

株式会社第一ビルディング
コンサルティング事業部
シニアマネージャー
飯塚 均さん


大学入学と同時にゴルフを始め、翌年には70台で回るほどの腕前に。第一生命グループゴルフ部の創設に関与し、初代キャプテンを務めながら長年スコアラーとして他のメンバーたちを引っ張ってきた

第一ビルディング

第一生命のグループ会社として不動産事業の一翼を担い、土地やビルの資産価値を最大限に生かすために全国に拠点を構え、お客さまの多彩なニーズに幅広く応えることで、多くの方が働く場所、生活の一部でもあるビルに最優のビジネス空間・環境を提供

第一生命ゴルフ部に
“この人”あり

2017年4月に第一生命グループゴルフ部を創設し、長年にわたり部を牽引し続けてきた飯塚均さん。昨年、キャプテンの座を退き、選手としての役目を終えたばかりだが、ゴルフ部キャプテンを引退して間もない昨年10月に、自身の所属する赤城GCで行われたシニア選手権へ初出場し、見事優勝を遂げている。ゴルフ部の2代目キャプテンである石澤良介さん(10月8日号で紹介)も「いまだに部員たちの精神的な支え」という、まさに“レジェンド”だ。

飯塚さんがゴルフを始めたのは早稲田大学へ入学してから。友人と「何となく」入部した体育会ゴルフ部での初ラウンドは126だったが、2年生の夏ごろにはすでに70台で回りレギュラー入りするほどの腕前に。4年では副主将として部のまとめ役の一翼を担いつつ、選手としても出場した。

「入部後トレーニングばかりで全然ゴルフをさせてもらえず、『もうやめてやる』なんて言っていましたが、5月に鶴舞CCへ行って初めてコースに出たんです。そこでゴルフ場の美しさに取り付かれて以降、異性と遊ぶこともなくお酒も飲まず、まさにゴルフ漬けでした。入社当初はなかなかゴルフへ行けないじゃないですか。入社後しばらくは、練習もほとんど行けませんでしたね」

個の活動から
“背負う”身に

入社以降、地方の営業所で営業職員を束ねる業務に就いていた飯塚さん。しばらくはゴルフとつかず離れずの距離感だったが、30代半ばを迎えたころ実家近くの赤城GCの会員権を購入。倶楽部競技へ出場するようになり、クラブチャンピオンを何度か獲得した。その後、業務内容が法人相手の営業へと変わったことがきっかけとなり、さらにゴルフとの距離が縮まることになる。

「とはいえ当時は平日に休める風潮でもなかったので、試合といえば日曜日の倶楽部競技くらいでした。それが変わったのは40代半ばのころでしょうか、当時弊社はゴルフの実業団競技に出ていたのですが、その増強ということで声がかかったんです」

次第に好成績が出るようになり始めたころ、会社の上層部から「そろそろゴルフ部を創ったほうが良いのでは」という声が出て、飯塚さんはゴルフ部創設に注力することになる。

「そこから多くの人に声を掛け、150名以上が集まりました。ただそれだけ人が集まれば温度差もあります。一方で部員からは年会費3000円をいただいていてそれが貴重な部の財源となっていたわけですから、なるべく多くの人に参加してもらって、みんなが『ゴルフ部に入って良かった』と思える場を設けられればという思いで頑張っていましたね」

この人がいれば
周りが笑顔になる

いちサラリーマン競技者から、会社の名と150人以上のメンバーを背負う身となった。部のために奔走しながらも、キャプテン引退間際までスコアの“稼ぎ頭”として活躍を続けた裏に、1つのこだわりがあった。

「取引先のコンペでも、とにかく真剣にやる。中途半端なスコアでは『どうせゴルフばっかりやっているんでしょ』と言われるんですよ。だから突き抜けないと。そうすれば名前も覚えてもらえ、リスペクトされる」

仕事、家庭、部の運営。限られた時間のなか結果を残すべく、40 代、50代は「毎日のように家の絨毯からアプローチ練習をしていた」という飯塚さん。創部時もだが、こういった陰の苦労を一切見せず、語り口は穏やかそのもの。「飯塚さんがいると周りの雰囲気が柔らかく、自然と笑顔になるんです」と石澤さん。

キャプテンの座を退き、競技ゴルファー第3章を迎えた。黒く焼けた肌は「趣味の農業のほうです」と笑うが、まだまだ後輩たちの精神的な支えであり続けるだろう。

飯塚均さんの14本セッティング

去年の春に替えたスリクソンZX5アイアンとボーケイSM9ウェッジが現在、絶好調だという。「ウェッジはいままでクリーブランドでしたが、心機一転ボーケイに替えました。パターは10年以上使っています」

週刊ゴルフダイジェスト2024年10月22日号より