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【企業ゴルフ選士】Vol.3 明治・山口祐輔さん「コミュニケーションツールとしてゴルフは欠かせません」

戦うだけのゴルファーではなく、会社に認められ、選ばれたゴルファーである“企業ゴルフ選士”をクローズアップ。今回の選士は明治の山口祐輔さん。

ORGANIZER/Hironori Kogure PHOTO/Tsukasa Kobayashi THANKS/筑波CC


今週の選士

株式会社明治
中部支社企画部 営業企画課
山口 祐輔さん


中学まで野球部に在籍していた。中学3年の時にゴルフ好きの父の勧めで練習を始め、高校・大学とゴルフ部に在籍。学生時代は特に目立った戦績はないが、現在は絶対的エースとして会社を牽引。得意クラブはパターとウェッジ

株式会社明治

2009年に明治製菓(株)と明治乳業(株)が経営統合し、2011年のグループ再編で誕生。創業の精神「栄養報国」に基づき、粉ミルク、牛乳・乳製品、菓子、スポーツ栄養、流動食など赤ちゃんから高齢者まで世界中に「おいしさ・楽しさ・健康・安心」を届けている

ゴルフ部のない会社を
引っ張る絶対的エース

社内にいわゆる「ゴルフ部」といったものはない。それにもかかわらず明治は「日経カップ企業対抗ゴルフ選手権」に第1回大会から今年で連続13回出場し、第2回大会では見事に優勝を飾っている。その年、団体に加え個人でも優勝し、明治の“不動のエース”として仲間の牽引役を果たしてきたのが山口さんだ。ちなみに日経カップには社内でただ1人、13年連続で出場している。

「当時は、いまと同じ中部支社で宅配の店舗担当をしていたのですが、ゴルフ好きの多い支社の仲間に声をかけられて代表選考に応募しました」

もともと社内にはゴルフと相性の良い土壌はあった。「北海道meijiカップ」のスポンサー企業として女子プロトーナメントを支えてきた歴史に加え、全日本実業団対抗ゴルフ選手権でも当時の社長が選手の一員として出場し優勝するなど、ゴルフに対する理解の深さは企業風土の一つとなっていた。だから代表選手も全国の事業所で働く1万1000名から出場希望者を募り、社内予選を経て選抜される。予選は毎年6月頃に日経カップの会場となる筑波CCで実施。むろん一発勝負だ。社内でエースと言われていても、調子が悪ければ落とされる。まずは社内予選を突破する。それが山口さんのゴルフに対する高いモチベーションを維持する原動力になっている。

日経カップ出場で
競技者魂に火が付いた

高校・大学はゴルフ部だが、とくに目立った成績は挙げていない。

「高2のとき高ゴ連の全国大会に団体で出場しましたが、補欠だったので本戦には出ていません」

大学では4年で愛知学院大学ゴルフ部のキャプテンを務めるが、ここでも目立つ成績は残していない。というか「将来はプロに」という夢も大学のゴルフ部に入って早々に諦めた。同じゴルフ部の先輩やライバル大学の選手と対戦してみて、あまりにも自分と違うレベルの高さに到底無理だと判断したのだ。明治に入社後はひたすら仕事に没頭する毎日。ゴルフはたまにパブ選の予選に出る程度で、アマチュア競技に出る余裕もなかった。

それが31歳になって一変する。実業団対抗のときは35歳だった年齢制限が日経カップで30歳に引き下げられ、山口さんも有資格者として出場できるチャンスが舞い込んだのだ。

「同僚に聞くと、すごく楽しそうなので『よっしゃ』と思いましたね」

山口さんが覚醒した瞬間だった。

密度の濃い練習で
腕前を維持する

山口さんのラウンド数は年30〜40回。練習は夜型で週に3回。1時間半から2時間かけ、150球程度を打つ。

「よく行く練習場が深夜2時まで営業していて、午後10時以降は料金が安くなるんです(笑)」

これで年間の平均スコア(77台)をキープしている。練習に2時間もかけて150球程度しか打たないのは、考えながらの素振りを重視しているからだ。得意のアプローチも、インパクトの音と感触を確かめながら50〜60ヤードを納得できるまで打つ。納得いかないとアプローチだけで終わる日も。

「50〜60ヤードはきちっと打てないと距離が安定しません。打席はいつも2階。落下後の球の動きをチェックしながらやっています」

練習に行かない日は、自宅に設置したパターマットでパットの練習をする。ドライバーの飛距離は260ヤード。学生時代より飛距離は落ちたというが、スコアは伸びている。

「日経カップに出場するようになって、社内でいろんな人に声をかけてもらえ、初対面の人とも会話が広がる。それが励みになってゴルフにも熱が入る。ゴルフは仕事も含めた生き甲斐の1つになっています」

山口祐輔さんの14本セッティング

小技を重視する山口さんが特にこだわるのはウエッジとパター。特にキャメロンは5年以上使用する大のお気に入り。3本入れるウェッジのうちグリーン周りの9割方を58度で寄せていく

週刊ゴルフダイジェスト2024年9月10日号より