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「協会に怒られるぐらい熱くいってほしい」元プロ野球・松田宣浩が女子プロ2人と激熱トーク<前編>

福岡在住の中堅女子プロ、福田真未と三ヶ島かなが訪ねたのは、元プロ野球選手の“熱男”こと松田宣浩。果たして3人はどんなトークを繰り広げる?

PHOTO/Shinji Osawa、Getty Images

三ヶ島かな(左) みかしまかな。1996年福岡県生まれ。10歳でゴルフを始め、沖学園高卒業後、16年プロ入り、18年プロテスト合格。21年メジャーのリコーカップで初優勝。16年からの6年連続シードを昨年逃がし復活を目指す。「三浦(大輔)監督の自主トレに参加したご縁で横浜DeNAベイスターズのファンです」

松田宣浩(中) まつだのぶひろ。1983年滋賀県生まれ。中京高、亜細亜大を経て06年福岡ソフトバンクホークス入り。走攻守すべてアグレッシブに、またムードメーカーとしてチームを引っ張る。22年に読売ジャイアンツ入団、23年に現役引退。現在は解説者およびCS番組『熱男ゴルフ』のMCも務める。ベストスコアは94

福田真未(右) ふくだまみ・1992年福岡県生まれ。11歳でゴルフを始め、沖学園高卒業後、11年プロテスト合格。17年の伊藤園レディスでツアー初優勝後、18年の北海道meijiカップで2勝目。安定したプレーぶりで13年から10年間シードを取り続けている。「地元の福岡ソフトバンクホークスのファンです」

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――今までの人生で、“岐路”はありましたか?

松田 僕は39歳のとき。ホークスをクビになったんですよ。構想外で来年契約しませんと言われたけど、自分では40歳まで現役でいたかった。「ホークス一筋で終わればいいやん」という声もめちゃめちゃ聞こえました。でも僕のなかではそういう気持ちがゼロで。プロ1年目の22歳のとき、あるコーチから、「とにかく息の長い選手になれ」と言われて、そこからは40歳まで野球するということを考えてきた。そしてジャイアンツに拾っていただき40歳までプレーし引退した。でも41歳、42歳までしがみつく思いはなかったんです。今考えてもこの選択は正解でした。39歳でやめていたらすごく後悔していると思います。2人はバリバリの現役だからまだ岐路はないでしょう。

福田 私は、今年ですね。シード権はあるけど、試合をセーブして、ゴルフ以外のことも始めたいなと考えているんです。

三ヶ島 私は優勝してからすごく流れが変わったなという感じがします。クラブ契約も全部フリーになったんです。クラブなどにも縛られずに自分の好きなようにできるということは1つの分岐点というか。まだまだ伸びしろがあるかなあと思えるようになりました。

松田 1度勝ってから、道が大きく開けたんですね。そういうお話を聞くと、すごいなと思います。

三ヶ島 少し光が見えたという感じです。前は30歳頃までできたらいいなと思っていました。でも、できるところまでやりたいなと。シード落ちしたのはショックでしたけど、体の故障もありきちんと受け入れられた。

福田 かなちゃんは、これからもできると思う。私もゴルフは生涯やりたいんですよ。

松田 僕はゴルフが好きなんですけど、男女とも下部ツアーをスカイAなんかで朝からよく見ます。ボギーをよく打ったり親近感が湧くので。超一流の方は雲の上の存在。お二人もそうですよ。

福田 いえいえ。最近は若い選手が頑張っているので。

松田 わかります。でもホークスは強いですけど、いいなと思うのは、常に若い選手だけで野球をするのではなくて、今なら今宮(健太)や柳田(悠岐)、中村(晃)、僕たちの頃は小久保(裕紀)さんや松中(信彦)さん、川﨑(宗則)さんなど有名な人がいたから、「この選手と同じグラウンドでプレーできる」「僕たちもこうなりたい」と思って一緒に頑張る。そして上手く世代交代ができていくんです。

三ヶ島 女子プロの若い選手たちはすごいですよ。

松田 プロがプロに対してすごいというのはどんなところですか?

三ヶ島 勢いです。レギュラーに出ている選手は、皆上手ですけど、アイドル的な感じでもあります。

福田 そこは変わりましたね。自分を“見せる”能力がすごく高い人が多いと思います。

松田 野球では、打つ・守る・走るが上手いだけでは普通のプロ選手で終わるんです。でもたとえば「熱男!」でインパクトを残して、小さい子に認めてもらうとか、また見たいと思われたい。そこは僕は、わざわざ演じていました。

福田 すごい。「熱男」、何度も見ましたけど演じていたんですね。

松田 はい、家では静かです。

2人 ははははは。

ホームランを打ったときの「熱男(アツオ)ー!」の雄叫びでファンを喜ばせた

福田 すごいプロフェッショナル。「熱男」は松田さんそのものになっています。

松田 コロナ禍を通して、お客さんがおられてなんぼ、と改めて思いました。ゴルフもですよね。

福田 声援はやっぱり気持ちが上がります。でも私はパフォーマンスすると恥ずかしいと思っちゃうこともあるんです。

松田 どうせやるなら“熱く”のほうがいいと思うけど、ゴルフは熱すぎたらよくないんですよね。

三ヶ島 空回りにもなります。

松田 ゴルフはずっと静かにプレーする感じがあるから女子プロはクールに見えるけど、協会に怒られるくらい熱くいってほしいですね。ガッツポーズなんかしたり。ゴルファーもアスリート。勝つことは嬉しいでしょうからもっと表現してほしい。やりすぎやろうと思われるくらい、もっと喜怒哀楽を出して。たとえばカメラマンさんが選手の教科書通りではないガッツポーズを待ち構えているのは、その先に期待しているファンの皆さんがいるからです。

三ヶ島 その写真を見たら、ファンが感じてくれるんですね。

松田 そこだけは演じる。それがファンの皆さんをつかむことになると思います。池に入ったときでも、心は冷静でも、派手に「やっちゃった!」でええやん(笑)。

2人 はははは。

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週刊ゴルフダイジェスト2024年8月20・27日合併号より