【キミこそ王子だ】Vol.326 メジャーチャンプの父から手ほどきを受ける四国チャンプ
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、松山市立高浜中学校3年の澤田珠加さん。松山英樹プロの父親直伝のスウィングで、昨年「四国ジュニアゴルフ選手権」を制した逸材を武市が直撃!
今回の王女候補
澤田 珠加さん
さわだ・みく ●主な戦歴/2023四国ジュニアゴルフ選手権 12~14歳の部優勝 ●ベストスコア 71(黒潮CC) ●トレーニング/毎日ダンベル、スクワット10回×10セット ●練習/平日100球、休日200球
澤田珠加さんがゴルフを始めたのは3歳。大阪府出身だが、よりよいゴルフ環境を求め、現在は母親と妹さんと3人で愛媛県に住んでいる。
通っている練習場は松山英樹プロの父親・松山幹男氏がオーナーを務める「HIDEKI GOLF GARDEN(ヒデキゴルフガーデン)」。幹男氏はボランティアでジュニアの育成にも力を入れていて、珠加さんもアドバイスをもらい着実に実力を伸ばしている。
「地元の大阪を離れて暮らすのは寂しくなかった?」
「母親も一緒ですし、愛媛は近くにいいコースもたくさんあるので楽しいです」と明るい表情で答えてくれる珠加さん。
「松山選手のスウィングは生で見たことある?」
「あります! 普通にしていてもオーラがすごいですし、スウィング音も今までに聞いたことがないような音で感動しました」
珠加さんのスウィングを見た武市は、「さすがは四国チャンプ! しっかりしたスウィングだわ」とうなった。
「どんなことを教わっているの?」
「最初はグリップやスタンスなど、細かく教わりましたが、今は確認程度です。最近はダウンスウィングで右肩が下がらないようにと言われています」
「目指しているのは松山プロと同様、左軸のスウィングなんだね。つまり、左足の付け根あたりを支点にしてしっかりクラブを振り切る! というイメージだよね」
「はいそうですね」
「やりたいことがシンプルかつ明確だからスウィングに迷いがないのがいい。ボールを飛ばすにはヘッドを走らせることが重要なポイントなんだけど、珠加ちゃんはそこが上手。左軸のスウィングは、あまり体重移動をしないから、肩や腰がスムーズに回せ、ダウンスウィングで自然にクラブがインサイドから入りやすい。そこから一気に振り抜くことで飛ばすことができるんだけど、それがなかなか難しいのよ。飛ばしたいと思うと手首をコネたりしたくなっちゃうからね。その点、珠加ちゃんはシャフトを短めに持ち、余計な動きを加えず、とにかく振り切ることに集中している。その集中力がスゴイと思う。曲がりにくいし、安定感も抜群! そりゃ強いわけだわ」
と感心しきりの武市。
珠加さんはスウィングだけでなく、性格もしっかりしている。3姉妹の次女で上と下に挟まれてもまれているせいか、自立心が旺盛。自分の考えをしっかり伝えることができる。
ゴルフの魅力を尋ねると、「個人プレーであることです。良くも悪くも、自己責任というのが私の性格に合っている気がします」とハキハキ答えてくれた。
そんな珠加さんの夢は、“勝てる”選手になること。目標は10勝、いや20勝!
「明るく元気だし、彼女ならきっと女子プロ界を盛り上げてくれるね」と確信する武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年6月4日号より