【キミこそ王子だ】Vol.324 大事にしているのは「テンポ」 プロ顔負けの美しいスウィングと弾道の持ち主
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、大阪桐蔭高校新1年生の梅田琉偉くん。彼の強さは、いつも同じ高さの球を打てること。いい意味でジュニアっぽくない、こなれたスウィングの持ち主に武市は驚愕!
今回の王子候補
梅田 琉偉くん
うめだ・るい ●主な戦歴/2024全国中学校ゴルフ選手権 春季大会2位タイ ●ベストスコア 67(いわむらCC) ●トレーニング/ランニング30分(週3~4回) ●練習/毎日2時間30分350球
3月に行われた「全国中学校ゴルフ選手権」で2位となった梅田琉偉くん。かねてより注目していた選手の活躍をうれしく思い、武市は春休み中の琉偉くんを直撃!
練習場で早速スウィングを見せてもらった。
「こりゃたまげた。昨年『中部アマチュア選手権』で一時トップだったでしょ。そのときから会ってみたいと思っていたんだけど、想像以上に素晴らしいスウィングだね。フィニッシュがマキロイみたいでカッコイイ」
「ありがとうございます。マキロイ選手のスウィングはよく見ています。でも、応援しているのはビクトール・ホブラン選手です」
「どっちなんだい!(笑)」
球筋はドロー。動きにキレがあってヘッドスピードが速いのに不思議と力感はない。いい意味でジュニアらしくない、こなれたスウィングに武市は感心しきりだ。
「どんなことを意識してるの?」
「テンポは意識しています。練習ではメトロノームを使い、全ショット、88ビートで振るようにしています
それを聞き、大きくうなずく武市。
そして次のように語った。
「琉偉くんのスウィングは、インサイドアウト軌道の典型的なドローヒッター。そして動きはシンプルかつオートマチック。バックスウィングで左手首を掌屈(手のひら側に曲げる)させ、レイドオフのトップを作る。そして、ダウンスウィングで左腰がアドレスのポジションに戻るよう、体を回転させるだけ。余計な動きは一切ない。だからこそ、テンポも合わせやすいんだろうね。そして出球が毎ショットそろっている。出球がそろうということは、バックスピン量も安定しているのでタテの距離も合わせやすいのが琉偉くんの最大の強みだよね」と称賛。
ジュニアらしからぬスゴイ球を打つ選手はあまたいる。でも、これだけキレイな弾道で安定感がある選手は稀だと武市は断言する。
「琉偉くんは、いまは300ヤードは飛ばないけど、体力がついてきたら今のようにテンポよく振って、アベレージで300ヤード以上、毎ショット同じ球筋で打てたり、アイアンショットも同じ距離を打つ力があると思う。それは本当にスゴイこと。トッププロは一発勝負ではなく、アベレージが高い。もし琉偉くんが将来プロになったら、きっとそんな選手になるだろうね」
「ありがとうございます」
「4月からは大阪桐蔭高校に行くんだね」
「ゴルフ部のある学校で、ガッツリゴルフと向き合いたいです」
「それ大賛成!! 仲間と一緒にいろんな経験してほしいな。がんばって!」
春は出会いの季節。新しい場所で、新しい自分や人と出会い、琉偉くんがさらに成長することを祈る武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年4月30日号より