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【キミこそ王子だ】Vol.321 中2とは思えない驚異の飛び! 秘密は鍛え上げた下半身

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は福岡県出身、北九州市立千代中学校2年の永山藍生さんだ。抜群の飛距離で数々の試合を制覇した彼女の師匠は福岡で活躍するタレント!? 何を教わっているのか武市が迫った!

永山藍生 ゴルフ ジュニア

今回の王女候補

永山 藍生さん

ながやま・あい ●主な戦歴/2023九州沖縄中学校ゴルフ選手権春季大会優勝 ●ベストスコア 66(ムーンレイクGC鞍手C) ●トレーニング/ランニング、ダッシュ、筋トレなど(週6) ●練習/ショット1時間150球、アプローチ&パター2時間(週6)


体を動かすことが大好きな14歳。中学2年の永山藍生さんが、ゴルフと出合ったのは3歳。最初は全く楽しくなかったというが、転機となったのは小5のときの、あるコーチとの出会いだ。

「信川竜太コーチに教えてもらい飛距離がすごく伸びました。そこからゴルフが好きになりました」

とハキハキ教えてくれた。

確かに球を打っているときの藍生さんは楽しそうで、はたから見てもゴルフ好きなことが伝わる。

室内練習場での取材だったので正確ではないが、武市の見立てでは、ドライバーの飛距離は優に250ヤードは超えている。

そんな飛ばし屋を育てた信川コーチは学生時代にゴルフ留学経験があるティーチングプロ。藍生さんをはじめ、たくさんのゴルファーを指導しているが、実は、もう一つの顔を持つ。なんとタレントとしてDJやスポーツ解説で活躍。ゴルフ専門チャンネルやラジオなどで番組を持ち、福岡では“信竜”の愛称で親しまれている人物でもある。


「言われてみればゴルフ専門チャンネルで拝見したことがある。言葉のプロでもあるから、伝え方が上手なんだろうね。信川コーチには、どんなことを教わっているの?」

「練習器具を使って下半身の力を鍛えています。そうしたら手打ちがなくなり飛距離が伸びました」

「なるほど! たとえば、歩くとき体の動きに手がつられて歩行と同じタイミングで腕が振れ、ダッシュをすると自然と腕も速く振れる。ゴルフも同じだよね」

「はい、たぶん(笑)」

「もちろん、手だけ一生懸命に動かしてもダメだし、これもバランスの問題だよね。やっぱり体の動きというのは、すべて連動しているから手や胴体や下半身などをバラバラにとらえると動きがギクシャクしちゃうしパワーも出せない。じゃ、どうすればいいのか? その答えのカギとなるのが下半身。さっきの“歩く”と“ダッシュ”の話のように、下半身にパワーが宿れば、連動して上半身、そして腕にもパワーが生まれる。藍生ちゃんは、信川コーチから球を打つなかで下半身と上半身を連動させるコツを学んだことで、飛躍的な飛距離アップを実現させた。実に、理にかなっているね。だから、スウィングもすごく自然。ケガもスランプも少なそうで、とってもいいと思う!」

そんななか、武市が注目したのは藍生さんがスウィング作りをするうえで行っている“バトルロープ”を使った練習。太い縄を持ち、波打つように上下に動かしたり、スウィングして引っ張るのだが、これがまさに全身運動。下半身のパワーなくして腕が振れないことを実感できるのだとか。

ちなみに、ゴルフが好きな父親が、宮里藍プロにちなんでつけたのが「藍生」(あい)という名前だという。自身も宮里藍プロは憧れの存在で「がんばって少しでも近づきたいです」と語る。

「その思いは、成長の原動力になるよね。立ち姿からしても運動センスもありそうだし、きっと素晴らしい選手になるはず」

そう確信する武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2024年3月19日号より