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【キミこそ王子だ】Vol.306「憧れの先輩は川﨑春花プロ!」極上のリズム&テンポで関西を制した女子高生

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は大阪府出身、大阪学院高等学校2年の三井優奈さんだ。同校出身の川﨑春花プロに憧れる優奈さんはスウィングもトークもリズミカル! ぶっ飛びドライバーの秘訣を武市が解説する。

今回の王女候補

三井 優奈さん

みつい・ゆな ●主な戦歴/2022関西高等学校ゴルフ選手権優勝 ●ベストスコア 67(信楽CC杉山C) ●トレーニング/毎日1時間体幹トレーニング ●練習/毎日2時間200球


三井優奈さんがゴルフを始めたのは4歳。ゴルフが好きな父親の影響で、気付いたらクラブを握っていたという。小・中学校時代の戦績もそれなりだったが、大阪学院高等学校ゴルフ部に所属してから頭角を現してきた選手だ。

「大阪学院のゴルフ部は有名だよね。卒業生には、さまざまなプロゴルファーがいるけど、最近は、なんといっても川﨑春花プロだよね」

「私が入学したときに、川﨑プロは卒業してしまったので重なってないのですが憧れの先輩です」

今年度は“川﨑効果”で、女子部員がググッと増えたそうだ。そんな名門ゴルフ部でエースとし活躍する優奈さんの得意クラブはドライバー。華奢な体型からは想像できないほど、飛距離が出る。

「小柄なわりに飛ぶよね! スウィングで気をつけていることは?」


「リズムとテンポです」

「どんなリズム?」

「私はイチ・ニ・サンです」

「テンポは?」

「メトロノームを使って練習することがあるのですがドライバーのときはテンポ75です」

「なるほど!」

優奈さんが飛ぶ理由に合点がいった様子の武市。

「リズムとテンポはごっちゃにしがちなんだけど、実は別物。リズムは簡単にいうとスウィング中の拍数。イチ・ニとか、昔で言うならチャーシューメンとか。それが、優奈ちゃんの場合はイチ・ニ・サン。具体的にはイチでアドレス、ニでバックスウィング、サンでインパクト、というリズムだね。これはスウィングリズムとしてはすごくシンプルだよね。一方のテンポは、全体の速さを示す。優奈ちゃんはドライバーのときに、75テンポといってる。つまり一分間に75回、四分音符を刻む速さってこと。ボクもメトロノームで練習したことあるけど75という数字は女子にしては、かなり速いほう。人によって心地よいテンポは異なるから一概には言えないけど、ひとつ確実なのは、リズムがシンプルでテンポが速いと、スウィング中クラブが構えたところにスッと戻ってくること。だからインパクトで力が集約される。優奈ちゃんが飛ぶのは、そういった理由だと思う」

と武市は解説した。

この日は、優奈さんのラウンドに密着しながら取材をしたのだが、武市はあることに気づいた。

「ラウンド中、歩くリズムも一定だし、テンポもいいよね。だから、いつも同じように打てるんだね。あと、会話のテンポもいいよね! ボクが何か質問すると、パッと返してくれるから気持ちいい」

「ありがとうございます。やっぱり関西人なので、リズム感のある掛け合いは心掛けています(笑)」

「さすが!」

いい意味で大阪人っぽい優奈さん。きっと、ゴルファーとしてもテンポよく出世街道を駆け上っていくだろう。そう確信した武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2023年8月1日号より