【キミこそ王子だ】Vol.299 日課は素振り300回! ゴルフに真っすぐな沖縄期待の中学生
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は沖縄県出身、宜野湾市立普天間中学校3年の東恩納昊貴くん。ステディなプレースタイルで全国大会にも多数出場。振った瞬間「比嘉一貴プロ並みに上手い!」と武市も称賛!!
今回の王子候補
東恩納 昊貴さん
ひがしおんな・ごうき ●主な戦歴/2022 全国中学校ゴルフ選手権 優勝 ●ベストスコア 68(ピートダイGC VIPコース) ●トレーニング/ときどき体幹トレーニング&ランニング ●練習/週2~3回、200球
東恩納昊貴くんは、小柄ながら抜群のセンスでツアーを盛り上げる比嘉一貴プロを彷彿とさせるような選手だ。ゴルフ好きの祖父の影響で、クラブを握ったのは小学校1年。ほとんどのジュニアゴルファーが毎日必ず打撃練習を行っているなか、昊貴くんは週2~3回と少なめ。新垣比菜プロらを輩出した「エナジックゴルフアカデミー」に、週イチで通っているそうだが、基本的にはスウィングやプレースタイルは自分で磨いてきた。そんな彼が日課にしているのが、素振り。その数300回!
「300回!? ゴッ。でもやっぱり、普通の中3と違って体つきがしっかりしてるね。振るのはクラブ?」
「素振りの練習グッズやほうきを使います」
「いいねー。どんなことに気をつけて振るの?」
「体が上下したり、軸ブレしないように」
「手や腕を振るのではなく、体を使って振るようにしているんだね」
「はい」
その効果はバッチリとスウィングに表れていると武市はいう。
「まず褒めたいのはグリップがキレイなこと。そして、右腰から左腰までのフェースコントロールが“でら”上手い! ダウンスウィングで無理に右ひじを絞ったり、右わきを締めて振ると、フェースローテーションが極端に大きくなる恐れがある。彼のスウィングはそれとは違い、ダウンスウィングからインパクトで右ひじや右わきにゆとりがあるのが特徴で、ハーフスウィングのようなフィニッシュになる。これぞ、まさに体を使ったスウィングの特徴。フェースが返り過ぎることがないから、曲がらないのはもちろん、変なミスをする気配がまったくない。このスウィングは、やっぱり日ごろの素振りのおかげだと思うよ。重くて長いものは手先では振れないし、小細工もできない。体を使ったスウィングを覚えるのには最適だよ」
昊貴くん自身も9番アイアンを得意にしていることから、「最強のショットメーカーになりそう」と武市は評価したが、ドライバーの飛距離も250ヤードと中学生にしてはなかなかだ。
「将来はどんなプロを目指しているの?」
「松山英樹選手のような、世界で活躍するプロです」
将来、賞金を稼いだら、何に使う? という質問に対し、今のところ欲しいモノも、食べたいモノも、行きたい所も「特にない」という昊貴くん。
「いや~、純粋にゴルフを楽しんでいるんだね~。心が洗われるよ。沖縄出身の選手は実直で粘り強いイメージがある。だから、応援したくなるんだよね。ぜひ、松山選手を目指し頑張ってね。昊貴くんなら、できる!!」
「ありがとうございます」
またまた、期待大な逸材と出会い、嬉しそうな武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2023年5月23日号より