“背骨”を意識するだけでヘッドスピードが上がる!? ドラコン女王が明かす飛ばしの極意
ドラコン大会10勝を誇る齋藤かおりプロのよると、飛距離アップのカギは「背骨」にあるという。いったいなぜ背骨が重要なのか、背骨をどのように使えばいいのか? 詳しく話を聞いてみた。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/ダイナミックゴルフ千葉
解説/齋藤かおり
さいとうかおり。岐本金属所属。29歳でゴルフを始め、米LPGAティーチング&クラブプロフェッショナルA級を取得。ドラコン日本大会10勝、世界大会6回出場。ドラコン公式記録は342ヤード。飛距離に悩むアマチュアを指導している
“背骨”を意識するだけで
パフォーマンスが上がる!?
342ヤードのドラコン記録を持つ齋藤かおりプロは、日本大会10勝を誇るドラコン女王。そんな彼女が今伝えたいこと。それが「背骨を意識しましょう」なのだ。
「私は26歳までフィールドホッケーの選手でした。その頃、ひざを何度も痛めてしまい、計5回手術しています。そこから走れなくてもプレーができるゴルファーに転身したのです。ですからゴルフの大前提に”ケガをしないこと”があります。ドラコン競技は相手より飛ばさないと勝てませんから、どうしても無理をしがちです。でも、ケガはしたくないですから、今ある体で最大限できることを追求してきました。そのキーワードが”背骨”なんです」
確かに背骨は人間の骨格において重要な部位だ。その背骨がゴルフにどう影響するのか?
「赤ちゃんの成長過程にヒントがあります。赤ちゃんは生まれてすぐは立てませんよね。頭を上げ、うつ伏せのまま、手を使って移動します。四つん這いになってハイハイし、つかまり立ちをして歩き出します。これらの動作は背骨が起点になっています。まず首の骨(頚椎)が動き、胸椎の可動が生まれて肩(肩甲骨)が動き始め、腰椎の安定が生まれ、股関節で立てるようになる。すべての動作が背骨から生まれているのです」
「背骨には大きく3つの役割があります。(1)体を支える機能、(2)体を動かす機能(+衝撃の吸収)、(3)中枢神経の保護です。ここで注目したいのが神経伝達の部分です。脳からの指令を体の末端である手足に伝えるには、必ず背骨を通過していくのです。つまり背骨の状態がいいほど、神経伝達もスムーズに行えるのです。だからこそ、背骨を意識してほしいんです」
背骨を意識するとは、具体的にどういうことなのか?
「背骨は筋肉みたいに鍛えられるものではありません。まずは意識することで、背骨の状態を理解していきましょう。そうすれば、背骨の機能も高められ、さまざまなメリットを実感できるはずです」
背骨の3つの役割
(1)支持=体を支える
(2)運動=体を動かす
(3)指令伝達=神経の保護
背骨には3つの役割がある。体を支えたり、運動のベースとなるのはわかりやすいが、齋藤プロが重要視するのが「神経の伝達」だ。「背骨には中枢神経を保護する役目もあります。つまり背骨の状態の良し悪しで神経伝達の速度も変わってしまうのです」(齋藤)
背骨が機能することで、本当に飛ばせるようになるのか?
「背骨が整うことで姿勢がよくなります。猫背でもなく、反り腰でもない、ニュートラルな姿勢(自然で滑らかなS字)ができれば、アドレスが決まります。さらに神経伝達がよくなることで、手足の感覚が鋭くなります。末端まで神経が行き届くと、体は想像以上に軽く感じられるはずです。そうなれば、あとは思い切り振るだけです。私自身、背骨をケアし始めてから、ヘッドスピードが49m/sまで上がりましたから」
では、背骨の状態をよくするには、どうすればいいのか?
「日々のケアやエクササイズで背骨を整えてあげればいいんです」
背骨を整えるメリット1
アドレスが決まり動きがスムーズになる
背骨を整えるメリット2
体幹が安定し手足がよく動くようになる
「背骨が整うと神経伝達がよくなり、手足の感覚が鋭くなります。末端まで神経が行き届くと、体は驚くほど軽く感じられるはずです。体幹が安定し、体も回りやすくなりますからヘッドスピードも上がります」(齋藤)
>>では、背骨を整えるにはどうすれば?
- 「背骨」を意識して“整える”ことで、体の動きがスムーズになり、飛距離アップが望めると齋藤かおりプロは言う。では、どうすれば背骨を整えることができるのか。自宅でできるエクササイズ法を教えてもらった。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/ダイナミックゴルフ千葉 解説/齋藤かおり さいとうかおり。岐本金属所属。29歳でゴルフを始め……
週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号より