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「ボールはどこ?」「ラインが読めない」最近目が悪くなってきたと感じたら…今すぐ実践! 視力回復術

最近、自分が打ったボールを見失ってしまう……。そんな視力に悩みを抱えるゴルファーは多いはず。そこで目の専門家に視力低下の原因から視力回復法まで、詳しく教えてもらった

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/二本松眼科病院

解説/平松類眼科医・医学博士)

二本松眼科病院、彩の国東大宮メディカルセンター、三友堂病院で眼科医として勤務。専門知識がなくてもわかる解説が好評でテレビや雑誌などメディア出演が絶えない。著書『目がよくなる! ガボール・アイ』は30万部を突破。近著『自分でできる! 人生が変わる緑内障の新常識』が発売中

スマホの見すぎだけでなく
病気の可能性もあります

アマチュアの悩みといえば、飛距離やスコアだけじゃない。自分が打ったショットなのにどこに飛んだかわからない。ボールが見えづらくなったかも……。そんな悩みを持つゴルファーは多いはず。そこでゴルフ経験もある眼科医の平松類先生に話を聞いてみた。

「視力低下の要因はさまざまです。たとえば、遠くが見えづらい。これは主に『近視』です。逆にスコアカードなど、手元が見えづらくなった。これは『老眼』の可能性が高いです。ですが、遠い近いにかかわらず見えづらくなった場合、まずは病気かどうかの判断が必要です。視力低下の原因は病気によるものも多いのです。ですから視力が落ちたと感じたら眼科で診てもらうことが大事です」

視力低下が病気によって起こっている場合、医師による手術などの治療が必要となる。それをせずに放置すれば、病気が進行し、取り返しのつかない事態になりかねないと平松先生は警鐘を鳴らす。

「多くの人は目が悪くなるとメガネ屋に行くと思います。そして視力検査し、視力を補正するためにメガネを作るはずです。メガネを使えば、視力も改善しますからそれで解決したと思ってしまうわけです。ですが、メガネ屋は眼科ではありませんから病気の診断はできません。白内障や緑内障といった病気が原因であれば、適切な治療が必要になります。だからこそ、眼科に行ってほしいんです。

日本人の失明原因第1位である緑内障は、40歳以上で20人に1人が患っているといわれる病気です。しかも緑内障は視野が徐々に狭くなるため、気づきづらいのです。さらに近視が強いと緑内障の危険性が増すというデータもあります。現代人は近視が増えています。これはスマホやパソコンなど、手元だけを見て作業する生活習慣が大きく影響していますが、そういったさまざまな要因からも眼科での検査は必要不可欠です。40歳を超えれば、自然に老眼も進行していきます。ですので、40歳になったら一度、眼科で診てもらうのがベストだと思います」

では、病気ではない場合、視力の低下を抑えたり、視力を回復させることは可能なのか?

「病気でなければ、メガネは視力低下の防止になりますし、たとえば目の疲労や使い方によって悪くなっているのであれば、視力を回復させることは十分に可能です。誰でもどこでもできる方法がいくつかありますので、ぜひ試してもらいたいですね」

●近くが見えない>>「老眼」
●遠くが見えない>>「近視」
●目が疲れやすい>>「遠視」
●モノが二重に見える>>「乱視」
現代人に多いのが手元はよく見えるが、遠くが見えない「近視」だ。ピント調節が手前に合いやすいため、近くが見えやすい。逆に「遠視」は遠くは見えるが、手元を見るときにピント調節で筋肉を使うため、近くが見づらく、目が疲れやすい傾向がある。手元が見えないのは基本的に老眼といえる

視力低下を起こす病気は主に3つ

視野が狭くなるかすみ目になるゆがんで見える
「緑内障」「白内障」「黄斑変性症」

日本人の失明原因で最も多いのが「緑内障」。視野が欠けていく病気で遠くが見えづらくなる。目の中のレンズの役割を果たす水晶体が白く濁るのが「白内障」。50代で50%の人が患う病気だといわれ、色の違いを認識しづらくなる。目の奥の黄斑が悪くなる病気が「黄斑変性症」でモノがゆがんで見えたりする。

病気でなければメガネで視力補正や視力回復も可能

目の病気が原因でなければ、メガネで視力を補正し、それ以上視力を悪化させないことは可能だ。昔はメガネをかけると悪くなると言われたが、そんなことはない。「病気は無理ですが、目の疲労や使い方による視力低下であれば、視力は回復させられます」(平松先生)

“手元だけ”を見るのが視力低下の一因

「手元を見るのが悪いのではなく、手元だけを見続けるのがダメなんです。スマホやタブレットのように長時間、視線を固定すると目の筋肉が凝り固まってしまい、それが視力低下を引き起こします」(平松先生)


ではどうすれば視力は回復するのか?

眼科で検査し、病気でないのであれば、視力を回復させることも可能だという平松先生。どうすれば、視力は回復するのか?

「現代人に多い近視や老眼の人におすすめしたいのが『遠近ストレッチ』です。テレビ、新聞、スマホなど、一定の場所を見続ける生活が続くと、目のピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が凝り固まってしまいます。その凝りを、遠く・近くを交互に見るストレッチでほぐしてあげましょう。とくにゴルフ場は視界が広いですから遠近ストレッチには最適な場所です。

次に目を温める『ホット・アイ』です。これは老眼の人や、パソコンや資料をじっくり見るなど、目を酷使する人に有効です。目を温めると血流がよくなり、視力も改善されるのです。やり方は簡単ですが、注意したいのは眼球を押さえないこと。眼球は弱い組織なので目をこするのも厳禁です。

最後が『ガボール・アイ』という、見るだけで視力回復ができるものです。視力は主に眼球と脳で決まります。カメラに例えると眼球はレンズ、脳が画像を処理するメカの部分となり、どう見えたかの結果が写真です。眼球でとらえた情報を脳で処理し、見えたものを認識するわけですが、近視や老眼でぼけた映像も脳はなるべく『くっきりした状態』に近づけようと補正してくれるのです。その脳の補正力を鍛えるのが『ガボール・アイ』です。そのメカニズムは科学的に証明されているもので、視力低下に悩む、あらゆる人に効果があるといえます」

視力回復術1
目の筋肉をほぐす

老眼や近視の人に最適「遠近ストレッチ」
「近くと遠くを交互に見る目の筋肉のストレッチです。スマホやパソコンなど、視線が固定されやすい生活習慣の人には効果的です。毛様体筋をほぐすことで、ピントがスムーズに合うようになり、視力回復につながります」(平松先生・以下同)

「指先などを目標に近くは30~40cm程度、遠くは理想は6m以上ですが、家では難しいので2m以上遠くを見ます。それを交互に10回繰り返します。凝視するのは10秒が理想ですが、数秒でも構いません」

視力回復術2
目の血流をよくする

目を酷使する人に合う「ホット・アイ」

「濡らしたタオルを絞り、電子レンジで40秒ほど温めます。そのタオルを目を閉じたまぶたの上にのせます。タオルが冷えれば終了。朝晩にやるのがおすすめです。リラックス効果があるので頭痛や肩こり、イライラなども改善されます」

どこでもできるのがこの方法です。両手をこすって手を温め、カップ状にして左右の目を覆います。まぶたに直接手が触れないよう包み込むように温めるのがコツ。30秒から1分程度で終了

視力回復術3
脳の画像補正力を鍛える

さまざまな視力低下に効果がある「ガボール・アイ」

「『ガボール・アイ』で脳を刺激し、視力が向上したことは、カリフォルニア大学をはじめ、世界の研究機関で報告されています。方法は簡単です。『ガボール・パッチ』という縞模様を1つ選び出し、同じマークを探すだけです。『ガボール・パッチ』は『ガボール変換』という数学的な処理を行うことで生まれた縞模様です。見ることを司る脳の『視覚野』に強く作用することが科学的に証明されています。ですので認知症の予防効果も期待できます」

【やり方】
(1)好きな縞模様のマークを選ぶ
(2)同じマークを探し出す
(3)見つけたら別のマークを選び探す
(4)同じことを繰り返す

【解答】
マークの種類は全部で10個

縞模様のマークは全部で10種類(A~J)ある。日本で初めて「ガボール・パッチ」を紹介したのが平松類先生だ

<平松類『1日3分楽しむだけで勝手に目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)より引用>

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月27日号より