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「肌は心を映す鏡」今からでも遅くない! ゴルファーのためのスキンケア講座

ILLUST/Koki Hashimoto

日焼けしてシミがあるくらいがかっこいい? そんな考えが10年後、20年後の大後悔につながるかも。肌のケアは男性も必須です!

亀山孝一郎先生

皮膚科専門医・医学博士。青山ヒフ科クリニック院長で、ゴルフ歴は40年以上

日焼け止めを塗っていない人なんて
いませんよね?

「肌は心の鏡」「肌は財産」と話す青山ヒフ科クリニックの亀山先生。確かに汚れた靴、ボサボサの髪で商談に臨むようではビジネスマン失格と言われてしまうのと同じで、ボロボロの肌では「だらしない性格なのでは」と思われかねない。しかも、服や靴、髪なら急ごしらえでもなんとかなるが、肌はケアの積み重ねが必要。美肌は一朝一夕で得られないがゆえの「鏡であり財産」なのだ。

では、何をすればよいか。「もちろん、まずは紫外線ガードです。まさか日焼け止めを塗っていない人はいませんよね?」と、亀山先生。ギクッとしている人はいませんか? 「日常生活でも年中必須ですし、夏ラウンドで塗らないのは致命的です。シミやシワに直結し、見た目の面でも良くないですし、皮膚ガンにつながる危険性もあります」というから恐ろしい。

ゴルフの日もそうでない日も日焼け止めは必須。そして紫外線ケアと両輪で考えなければならないのが肌の保湿だ。「肌の外側の角層部分に潤いがないと日焼けしやすくなってしまうんです」。そこで、毎日の化粧水と乳液をぜひ習慣に。

「朝の洗顔後、夜の入浴・洗顔後に化粧水をたっぷりつけて、その後、乳液。これをルーティンにしましょう。化粧水だけでは水分が蒸発するので乳液できちんとフタをして」。特に朝は「汚れていないから」と水だけで洗顔する人もいるだろうが、亀山先生は洗顔料で洗うことを勧める。「寝ている間に出た皮脂が酸化しているので、それを落とすには水だけでは頼りないんです」。また、水だけだと肌をゴシゴシとこすってしまい、摩擦が肌に悪影響を及ぼす。たっぷりの泡で肌を包み込むように洗うのが原則。時間をかける必要はなく30秒~1分やさしく洗い、すすぎはこすらないよう気をつけながら丁寧に。

「男性は普段ケアをしていないぶん、効果も出やすい」というから、ぜひ「やさしく洗顔、たっぷり化粧水、乳液でフタ」をルーティンに。フルメニューでも10分余りだ。

1日10分! デキる男のこれだけお肌ケア

朝洗顔 2分

泡立てネットを使えば、石鹸の泡立ては簡単。泡で出るタイプの洗顔料もラク

朝保湿 2分

化粧水で水分補給+乳液でフタ

日焼け止め塗布 1分

亀山先生オススメの日焼け止め、資生堂「アネッサ」。手の甲や耳、首など塗り残しのないように。唇にはリップクリームを忘れずに

夜洗顔 3分

ドクターケイのジェルクレンジングは朝にも夜にも使える。すすぎはこすらないようやさしく洗おう

夜保湿 2分

風呂上がりはスキンケアのゴールデンタイム。朝同様、化粧水と乳液での保湿を忘れずに

ビタミンCで日焼けを“なかったこと”に!

紫外線ガードと保湿によるスキンケアのほか、体の内側からできるケアもある。「ビタミンCの摂取です。日焼けは皮膚に活性酸素が生じることで起きるのですが、活性酸素を修復するのがビタミンCやEなんです。ですから、ビタミンCは“飲むサンスクリーン”だと思ってください」(亀山先生)

ビタミンCは普段から摂取を心がけるのはもちろんだが、ラウンド前、紫外線に当たることがわかっている日や、ラウンド後「今日は日に焼けてしまった」という後に摂取するのもいいという。ビタミンCにはできてしまったメラニンを無色化して還元する作用があるからで「日焼けを“なかったことにする”のも可能なんです」という。

亀山先生の場合、ゴルフ場でランチを食べる際にレモンを絞ってかけるというからびっくり。「ビタミンCや汗で失われたミネラルの補給にもなるんですよ」とのことだが、なぜレモン?「レモンにはビタミンCのほか、筋肉を動かす助けをするクエン酸も豊富なので、パフォーマンスアップを目指すゴルファーにはぴったりなんです」。紫外線から肌を守りながらスコアもアップ、となればゴルファーにとっては万々歳。レモン、これは注目食材だ。

それでもできてしまったシミには、レーザー治療という手もある。亀山先生のクリニックには80代で「どうしても手の甲のシミをとりたい」という人も訪れたそうだ。結果は「しっかりとれてきれいな手に戻られました。ほかにも、私の友人で、頬に黒く盛り上がった大きなシミがある人もいましたが、レーザーですっかりとれて、10年以上経ちましたが、きれいなままキープしています」とのこと。どうしても気になるシミがある人は、クリニックで相談するのもいいだろう。ただ、レーザー治療の後に紫外線に当たるのはNGなので、治療後は紫外線をいつにもましてガードする必要がある。頻繁にラウンドする人は、その旨もしっかり医師に伝えて相談しよう。

下記に「男の美肌7つの習慣」をまとめているのでそちらも参考に。とくに「ルール3」のタバコ厳禁の項目に注目。タバコに含まれるニコチンが体内のビタミンCを壊し、肌に栄養を行きわたらせないようにしてしまう。これではせっかくの努力も水の泡だ。

そして、お気づきだろうがこの美肌習慣、肌にだけだけでなく健康につながるのも明らかだ。健やかゴルファーを目指し、さあ、今日から実践するべし。

男の美肌7つの習慣

1. 紫外線をガードする
ラウンドなど屋外スポーツ時の日焼け止めはSPF50程度のものを。汗で流れやすいので、できればハーフターンで塗り直しを。スプレータイプを持参してかけるのもいい。スプレータイプは髪の毛にもかけて。

2. 水分・油分を補給する
化粧水は製品に表示された「適量」より多めを意識して。その後は乳液やクリームの油分でフタ。化粧水や乳液のスキンケアセットを洗面台に置くようにすると毎日のルーティンにしやすい。

3. タバコは厳禁
ニコチンは毛細血管を収縮させるので、肌まで栄養が行きわたらず、乾燥やくすみ、たるみにまでつながることも。ビタミンCも壊すのでいくら摂取しても追いつかない。

4. 腹八分目を心がける
特に糖質や脂質をとりすぎると、それらを分解するためにビタミンB群が使われ、体も肌もビタミン不足に陥ってしまう。野菜やタンパク質多めの食事を適量とることが美肌と健康への道だ。

5. 適度な運動でストレス解消
ストレスを感じると毛細血管の血行が悪くなり肌は栄養不足になるが、運動をすることによって全身の血流アップ。ジム利用や1駅歩くなど工夫を。ゴルフももちろんGOOD!

6. 睡眠時間は死守する
睡眠時間が少ないと成長ホルモンの分泌が低下して代謝が低下。疲れもとれず体が危機感を感じてしまい、余分な皮脂分泌にもつながる。なんとか睡眠5時間をキープしよう。夕食は寝る3時間前までにすませ、胃を休ませたい。

7. ビタミンABCを摂取
A、B、Cともに皮脂分泌抑制作用、抗炎症作用、代謝促進作用あり。食物やサプリなどで摂取するのはもちろん、クリニックで肌に直接イオン導入すると美肌に即効性が。


美意識高い系プロ・横田真一
俺のビューティテクニック

代官山にあるクリニックでレーザー治療のシミとりをやってもらっています。ユーチューブをやるようになって、以前はぜんぜん気にならなかった手や顔のシミが嫌だなと思うようになったんです。レーザー治療をしたところは、かさぶたのようになりますが、1週間ぐらいすると治ります。ただ、その間は紫外線に当たらないようにしなければならなので、僕の場合、この治療は冬限定にしています。

「サーマクール・アルマ治療」という高周波を使った治療もやっています。肌の深いところに高周波を当てて、その熱で肌そのものの耐性力を刺激する方法です。コラーゲンやエラスチンという肌の張りを保つ成分を増加させる働きがあるそうです。これには、目の下のたるみとか、口元とか、フェースラインが落ちるのを防ぐ効果があると言われています。

あとはドモホルンリンクルのセットを使っています。まず洗顔から始まって、クリームとか一式をやって、最後は泡パック。女房(タレントの穴井夕子さん)のイチ推しはジェルパックで、顔に塗るとビリビリする感じがします。おそらく毛細血管を刺激して血行を良くするんでしょうね。撮影の前には必ずやっていますね。紫外線対策はドレスクリームというUVカットを使っています。

食事は、肌のためにはビタミンCの多いものが大事です。アセロラ、キウイなどの果物とかピーマンなどの野菜です。次はビタミンEです。アーモンドやピーナッツなどのナッツ類やアボカド、魚介類。アンチエイジングになる栄養素です。ビタミンB群も大事です。卵、チーズ、マグロなどです。抗酸化作用で忘れてはいけなのは、リコピン。トマトですね。メラニンの分泌を抑えて、コラーゲンの減少を抑制する効果があります。鮭などの赤身の魚に含まれているアスタキサンチンはすごいですよ。ビタミンEの1000倍も抗酸化作用があると言われています。要はアンチエイジングです。

僕は若いころに日焼け止めなんて使っていなかったというよりも、日に焼けてシミができるのは、かっこいいと思っていました。ジャンボさんぽいとかアーノルド・パーマーぽいかなと。だけど、50歳くらいになって「こりゃダメだ」と。若いプロ、プロじゃなくても若い人には「ちゃんと日焼け止めクリームを塗っておけよ」と言いたいですね。ゆくゆく後悔するから。あとは、やっぱり意識してビタミンCをとることをお勧めします。


週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より