【らくトレ】Vol.155 「腹式呼吸」でスウィングが劇的に向上する!?
トレーナーの斎藤大介氏がゴルファーにおすすめのトレーニング&ストレッチメニューを紹介する「らくトレ・ゆるスト」。今回はスウィングのパフォーマンスが飛躍的にアップする“呼吸法”を教えてもらった。
TEXT/Tomohide Yasui PHOTO/Akira Kato MODEL/Rinako Kurokawa(ゴルル)
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メニューNo.155
「腹式呼吸」でパフォーマンスアップ
今回は呼吸法のエクササイズを紹介します。そんなのゴルフに関係があるのかと思う人もいるでしょうが、プロのトレーニング指導を行っていると、呼吸が浅いためにパフォーマンスが発揮できていない選手は意外に多いのです。
呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸の2種類があります。腹式呼吸は息を吸ったときにお腹が膨らみます。一方、胸式呼吸は息を吸ったときに胸が膨らみます。生まれたばかりの赤ちゃんが寝ているときは腹式呼吸ですが、大人になると胸式呼吸が優位になってしまう人が多いです。胸式呼吸は呼吸が浅く、胸や肩に力が入りやすいため、ゴルフには不向きです。
呼吸が深くなる腹式呼吸をマスターするとスウィング軸が安定する、再現性のアップなど、ゴルフのパフォーマンスは飛躍的に向上します。仰向けとうつ伏せでお腹に空気を入れるエクササイズを行えば、正しい腹式呼吸を習得することができます。
Exercise 1
仰向けに寝てお腹を膨らませる
仰向けに寝て両ひざを立て、両手をわき腹に当てた姿勢からスタート。まずお腹の中の空気を全部、口から吐き出します。そうすると鼻から息を吸う動きが自然に発生します。その空気を3秒かけてお腹に入れ、3秒キープし、3秒で吐き出します。これを10回繰り返します。(10回×1~2セット)
Exercise 2
うつ伏せに寝て背中を膨らませる
うつ伏せに寝て、両手をわき腹に当てた姿勢からスタート。同じくお腹の中の空気を全部、口から吐き出します。そうすると鼻から息を吸う動きが自然に発生するのですが、お腹が押しつぶされているので空気が背中とわき腹に満遍なく入ります。これを10回繰り返します。(10回×1~2セット)
腹式呼吸はお腹を360度膨らませる
正しい腹式呼吸ができるとお腹だけでなく、わき腹や背中にも空気が入り込みます。お腹にしか空気が入っていない場合、腹式呼吸が不完全ですから、お腹周りが360度膨らむように空気をしっかり吸い込んでください
●ここに効く!
腹式呼吸を身につけると腹圧が上がります。腹圧が上がると力を出したときに全身に力を伝える幹の役割を果たします。また、腰椎が保護されるので腰痛予防にもなります
●どんな効果が?
腹圧を上げた状態でスウィングすると体の幹となる部分が安定し、ブレない軸を作ることができます。軸が安定するのでインパクトの強さと再現性が格段に高まります
解説/斎藤大介
柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。16年より米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20年から22年まで渋野日向子の専属トレーナーとして活動。インスタ(golf_fit_japan)でも情報発信中
週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より