Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 体が整う、心が落ち着く! ゴルファーに「ヨガ」がオススメな理由

体が整う、心が落ち着く! ゴルファーに「ヨガ」がオススメな理由

ヨガというと、女性がやるものというイメージを持つ人も多いかもしれないが、奥田靖己や藤田寛之など男子プロも積極的に取り入れている。そこで今回は、ゴルファーに役立つヨガのやり方を専門家に教えてもらった。

PHOTO/Hiroaki Arihara

解説/生瀬陽子

「ヨガセラピスト」など多数の資格を持ち、セルフ整体、リンパマッサージ、ツボ押しなどで体のゆがみや巡りを改善し、深い呼吸で心身をリラクゼーションへ導く「整えるヨガ」を提唱。「yo-co.yoga」を主宰。モデルとしての顔も持つ。

「ドキドキしたら深呼吸。それもヨガです」

「ヨガは意識高い系の若い女性がやるもの? 複雑なポーズが難しそう? 専用のウェアやマットが必要? そんなことは全然ありません。ヨガの本質は心身を整えること。そのためにポーズをしていると言ってもいいほど」と生瀬さん。「動くことで血流、巡りがよくなり、瞑想に行き着くんです。ポーズの出来具合じゃなくて、大事なのは深い呼吸と自分を見つめること」という。

「だから、ポーズをしないヨガもあるんですよ。呼吸だけでヨガですし、私はリンパマッサージも取り入れています。老廃物が流れやすくなるのでデトックス効果も期待できるし、腸活にもなります」。これはぜひ、日常に取り入れたい。もちろん、ラウンドにも。

ヨガは呼吸第一。「よくポーズをとるとき『フンッ』と息を止めてしまう人がいますが、息は止めないでください。吐くときにしか体は伸びないので。巻き肩を開くときでも、息をフーッと吐きながらやるだけで、体の伸びに違いが出ます」。今、まさに背中を丸めてデスクワークしている人、気分転換にと肩甲骨を開くなら、息を吐きながらやってみよう。同様に、ゴルフのティーショットではテークバックのときに息を吐けば体をしっかり捻転させられる。次のラウンドにすぐ使えるテクニックだ。

メンタル面にも効果あり

「呼吸は腹式呼吸です」というが、具体的には? 「まず鼻から吸ってお腹をふくらませます。口から吸うと雑菌が入りやすいのと、鼻から吸ったほうが深く入るので、吸うのは鼻から。そして鼻から鼻が難しい人は、口から吐きます。吸うよりも長く吐くようにしてください。難しいと思うかもしれませんが、これは“慣れ”です。普段の生活でもできるようになればいいですよね」。このように呼吸を深くすることによって副交感神経が優位となり、リラックスにつながる。

「ゴルフで朝イチのティーショットや『ここぞ』のパットではドキドキしますよね。そんなときは、たいてい呼吸が浅くなっています。深く吸って吐いて。それだけで落ち着きます」。もちろん普段の生活でも心がザワザワしたら深呼吸。ヨガは“メンタルに効く”。そして、ゴルフはメンタルのスポーツ。ならば“ヨガはゴルフに効く”の三段論法の成立!

では、自身もゴルファーである生瀬さんに「ゴルファーにおすすめのヨガ」「健康のための日常ヨガ」「ラウンド時にもできるヨガ」の3本の柱で紹介してもらおう。

「え、これヨガ?」「マッサージじゃない?」と思うものもあるが、これも体を整え、ゆがみを改善していく「整えるヨガ」。一方向の動きが多いため、左右のバランスが崩れやすいとされるゴルファーはぜひとも注目を!

ヨガを実践時の4つのポイント

●「息を止めない」
息を吐くときに体は伸びるもの。腹式呼吸を意識して
●「左右ともやる」
左右ともやって「動かしにくいほう」を重点的にやる
●「ノルマは決めない」
このポーズを何秒、何回などと決めず臨機応変に
●「補助器具を使ってOK」
きついと思ったら椅子に手をつくなどして無理はしない

ゴルファーにおすすめのヨガ 3ポーズ

タオルで足伸ばし

スポーツタオルなどを足の土踏まず部分にかけ、股関節から動かすようなイメージで足を左右に倒していく。

ゴルフで飛ばしの肝となる股関節の柔軟性を高める。左右でやりにくいほうがある場合は、体のバランスが崩れている証拠。「足の長さが違う」ケースもあるそう。回数は自由だが、やりにくいほうを重点的に。きつい場合はタオルより長いひもを使ったり、タオルを2枚つなげるなどして工夫しよう

肩甲骨回し(&わきの下もみほぐし)

左手で右わきをつまみながら、右ひじを後ろに引くようにして回す。反対も同様で、右手で左わきをつまみながら、左ひじを後ろに引くようにして回す。

肩甲骨の可動域が広がるのでテークバックがスムーズに、大きなトップもとりやすく。左右ともにやるが「何回」という制限や目標は設けない。やりやすいほうばかりしないようにしよう。「わきをつまむ」ことでリンパマッサージになるので老廃物の排出にも

うさぎのポーズ

後ろで両手を組んで上に引き上げ、徐々に前傾して頭のてっぺんを床につける。

床につけるのはおでこではなく頭のてっぺん。頭のてっぺんにある「百会のツボ」を刺激すると自律神経が整い、冷静なプレーにつながる。秒数などは決めなくてOK

頭をつけるときに怖い人は手を横についてもいい。「百会のツボ」(両耳の延長線と鼻からの延長線が交差する部分)は指で押すだけでも

ラウンド時にもできるヨガ 4ポーズ

胸骨、肋骨マッサージ

手で胸骨の辺りをなでるようにマッサージ。肋骨は“締める”イメージで手のひらで押すようにマッサージ。胸骨、肋骨周辺は免疫や気持ちの落ち着きと結びつきが強いので、この辺りをさすると落ち着きにつながる。

ドライバーで肩甲骨開き

両手でドライバーを持ち上げ背中側に移動させ、肩甲骨を開く。クラブは短いものより長いもののほうが楽。後屈はやる気がアップするポーズ。

ドライバーで肩甲骨&股関節ほぐし

ドライバーを立て、グリップエンドを両手で支えながら前屈。背中をしっかり伸ばし、股関節から折りたたむイメージで。

腹式呼吸

鼻から息を吸ってお腹をふくらませ、丹田を押しながら鼻か口から長めに息を吐く。
この腹式呼吸を意識するだけでドキドキ、ザワザワが遠のき、やる気が満ちてくる。

健康のための日常ヨガ 5ポーズ

座ったまま股関節ほぐし

椅子に座って、片足を反対側の足の太ももにのせゆっくり前傾する。左右ともやる。

背中が丸まりやすいので肩甲骨を開き、骨盤を立てるイメージで。上げていないほうのかかとは床につける。きつい場合は右の写真のように椅子をつかんでもOK

手と足握手

足の指をギューッと開き、手の指と足の指を握り合う“握手”をし、足首を大きくグルグル回す。左右ともやる。

足の指の側面には神経のツボがたくさんあるので、ぜひ刺激したい。足の指を閉じたり開いたりするのも◎。それだけで血行がアップし体がポカポカしてくる

足の指と手の指をギュッと組むのは意外と難しい

壁を使って肩甲骨開き

肩甲骨を広げるイメージで壁に手を添わせる。左右ともやる。

これも左右で動かしにくいほうを重点的に。壁があればすぐできる

部屋のドアで肩甲骨開き

部屋の入り口部分に手をかけ、足を一歩踏み出し、肩甲骨を開く。左右ともやる。

和室なら鴨居の部分に手をかける。日常生活のあらゆる場所でヨガはできる

立ち木のポーズ

片手を椅子など安定したものに置き、足を反対側の足のひざにつける。曲げたほうの足と同じ側の腕を伸ばす。左右ともやる

腕を伸ばすのが難しければ下げたままでもOK

オプションメニュー 2ポーズ

真珠貝のポーズ

あぐらをかいて座り、前屈して貝が閉じているような形を作る。両手は両足の下に通す。

開脚フレックス

座って足を広げ、両手で自分を抱きしめる(肩甲骨を触る)。そのまま正面、右方向、左方向に前屈する。きつい場合はひざを曲げてもOK。

週刊ゴルフダイジェスト2023年2月7日号より