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「全英オープンをクローズドにするつもりはない」R&Aトップの発言はLIVゴルファーを救う?

4大メジャーにLIVゴルファーは出場できるのか? ゴルフ界が頭を悩ませる問題にR&Aのチーフエグゼクティブ、M・スランバース氏が一歩踏み込んだ意見を語った。

アジアパシフィックアマ(R&A主催)の会場で同氏は米ゴルフダイジェストのインタビューに答え、「我々は誰も出場停止にするつもりはない」とLIVゴルファーの参戦を容認する発言をした。

スランバース氏は「150年の歴史を裏切って全英オープンを“クローズド”にする(誰かを排除する)つもりはない。『ジ・オープン』という名の通り、大会はすべての人に開かれていることが重要。来年の大会初日午前9時40分にはディフェンディングチャンピオンのC・スミスがティーアップする姿を見たい」。

スミスは昨シーズン終了と同時にLIVに移籍したが、今でも世界ランクは3位。

「ゴルフ界で意見の不一致が起きていることは脇に置いて、世界最高のプレーヤーがタイトルを競うという原理原則に忠実であり続ける必要がある」とスランバース氏。

全英オープンには世界ランク(以下OWGR)トップ50が無条件で出場できるが、現時点でスミス以外にもJ・ニーマンやD・ジョンソン、B・ケプカら11人のLIV組がトップ50圏内。しかしLIVの結果は現段階でOWGRに反映されないため、来年の大会前の状況は不透明。PGAツアーはLIV参加組を出場停止にしているが、これについてもスランバース氏は和解を望んでいるという。

「選手は生計を立てるためにプレーしている。サウジがゴルフに投資するというのはある意味いいことでもある。ただゴルフというゲームが構築された経緯と能力主義は維持しなければならない。できれば毎週最高の選手同士が競い合うのが見たい。ゲームを高い価値と敬意をもってプレーしなければゴルフの成長はない」

ファンが望んでいるのもゴルフ界の分断ではない。LIV組も含めたトッププロの最高の競演が見たい。

来年の全英オープンの顔ぶれはいかに?(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月22日号より