菅沼菜々の魅力を深堀り!<前編>過去には無気力症候群も今は「試合が楽しくて仕方ない」きっかけはSexy Zoneのライブ
ひときわ楽しそうに試合をする菅沼菜々。その童顔スマイルにやられていると攻めのショットに度肝を抜かれる。この痛快なギャップはいったいなんだ!?
PHOTO/Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/富士CC
だって試合って楽しいじゃないですか!
――菅沼菜々といえば笑顔。強い選手なのに歩き方を始め、ひとつひとつの挙動が愛らしい。現場のカメラマンは「ついついシャッターを押しちゃうんですよ~」と笑う。
今は笑顔で試合に臨めていますが、高校2年生の冬に、何事に対しても無関心になったり、投げやりになってしまうことがありました。そのときに言われたのが「無気力症候群」という現代病のひとつだったんです。そこから半年以上、ゴルフから離れ、このままゴルフをやめようとまで思っていました。でも、もともと大好きだったジャニーズのアイドルグループ「Sexy Zone」のライブを見て感動したんです。そして私も人に感動を与えられるような人間になりたい」と、私の心は大きく揺れ動かされました。
その後、練習を再開でき、約3カ月後の日本ジュニアで優勝。その勢いでプロテストも一発合格するんです。もし「Sexy Zone」のライブに行っていなかったら、プロゴルファー菅沼菜々はいなかったかもしれないです。
――“スマイルに菅沼”が生成されるのはもう少し先の話。彼女の楽しげな説明を聞いていると、ゴルフは心が大事と思わされる。
プロテストも突破でき、よし! このまま頑張ろうと思っていましたが、プロになりたての頃は、プレースタイルが今とは真逆だったと思います。
「こんなに練習しているのに何で上手くいかないんだろう」とか、「なんでこんなミスをするんだろう」とか自分に怒り、感情を表に出していました。でも見栄えは悪いですし、何よりスコアに響いていたんです。それでなんですが、私悟ったんです。エヘヘ(笑)。笑顔でプレーしてみようって。でも、人は一気には変われないので最初は、「笑顔でプレー」と心の中で唱えながらやっていましたね。
ペットボトルには可愛い落書きも
絵を描くのが好きでよく自分の持ち物には落書きをしてしまうという
「苦いのが苦手なのでミルクとガムシロの2つが必須」
苦いものが苦手で、取材時に頼んだアイスコーヒーにはミルクとガムシロップをそれぞれ2個投入。「私、チョコレートも苦く感じちゃうんですよね」(菅沼)
よく周りの人に「本当によく笑っているよね」とか「そんなに笑顔でい続けるのは大変じゃない?」と言われることもありました。最初は確かに意識的に笑顔を作っていたので、大変だったんですが、次第に試合が楽しくて仕方なくなってきたんですよ! ゴルフですからイラッとすることもあります。いっぱいあります。でもまぁいいやって普通に思えるんですよね。そしてすぐに、試合って楽しい! って感情に戻っちゃうんです。
まぁさすがに、先日行われた日本女子オープンの3日目は、ショックでしたね。だって81ですよ。後半43も叩くなんて、自信もなくなりましたし、かなり泣きましたね。でも次の日には、ケロッと楽しくプレーしていました(笑)。やっぱり楽しくプレーするというのが私にとってのモチベーションであり、リズムを作り出すものなのだと思います。
――日本女子オープンの3日目11番は、興味深いシーンだった。バンカーを一度で脱出できず2回打つこととなり、そのショットもピンをオーバー。球が上がりきる何秒も前に、背を向けて歩いてきてしまった。
あれは、もう知らない! って感じですよ(笑)。まぁいいや精神ですね。
まさにアイドル!
菅沼菜々がここまで徹底している理由とは?
- 常に優勝争いに顔を出す実力もさることながら、笑顔を絶やさないプレーぶりでファンの心をつかむ菅沼菜々。彼女にとってのファンの存在とは? プロゴルファーとして大事にしていることとは? 深堀りインタビュー後半戦! PHOTO/Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/富士CC >>前編はこちら ……
月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より
こちらもチェック!
- ジュニア時代から互いにしのぎを削り、今季からルーキーとして活躍する岩井姉妹。平均250Y超えの飛距離を誇る姉の明愛と、抜群の安定感を誇る妹の千怜のスウィングを、2人のコーチを務める永井哲二プロと、多くのプロ&ジュニアを指導する青木翔コーチに分析してもらった。 PHOTO/Shinji Osawa、Kazuo Iwamura 岩井明愛(左・姉)……
- 今シーズン、初優勝が6人も出ている女子ツアー。次なる初優勝にいちばん近いと注目されているのが菅沼菜々だ。父・真一さんの教えのもと磨き抜いてきたスウィングは一見変則的だが、実は個性を最大限に生かすための理に適った打ち方だった。「菅沼家の教え」に迫っていこう。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/八王子CC 菅沼菜々 すがぬま・なな。2000年生まれ。東京都出身。……
- トーナメントの練習日は、パット練習を「2球」で行う原英莉花。一般ゴルファーも、ラウンド前のパット練習では、2球または3球という人が大半だが、原をはじめ多くの女子選手が、試合直前のパット練習を「1球だけ」で行っていた。果たしてその理由とは? PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara スタート直前は1球練習がオススメ ラウ……
- 2022年も開幕から話題が尽きない女子ゴルフ界のなかで今季好調の選手2人に注目。好調を維持する理由、優勝へのカギなど、本人を直撃した。 PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa THANKS/ダイキンオーキッドレディス、富士フイルム・スタジオアリス、KKT杯バンテリンレディス 菅沼菜々すがぬまなな。2000年2月……