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【ニトリレディス】稲見萌寧が逆転で大会連覇「16番でどうパーを取るかをずっと考えていた」

<ニトリレディス/小樽CC(北海道)/6655Y・パー72/8月25日〜28日>
PHOTO/Shinji Osawa

大混戦となったニトリレディス。最終日は、最難関の16番で抜け出した稲見萌寧が逆転で今季2勝目、自身初の大会連覇を飾った。最後まで誰が勝つかわからない、ハラハラドキドキの展開に詰めかけた1902人のギャラリーも大いに沸いた。まさに、“お値段以上”の大会となった。

勝負を分けた最難関の16番パー4

「ラウンド中ずっと、16番でどうやってパーを取るか考えていた」。稲見のこの言葉が16番ホールの難しさを物語っている。

4日間の平均スコアは4.3816。もちろん最難関ホールで、誰もが勝負どころだと考えていた。そして予想通り、勝負の行方が大きく分かれることになった。

小樽CC 16H 420Y PAR4
パー4最長にして最難関ホール。グリーン手間に池があり、ティーショットはフェアウェイ左サイドが狙い目。しかし、フェアウェイの幅が狭く、左ラフに入ると2打目が厳しくなる。右サイドは木がせり出していて、フェアウェイでも狙いにくい。ティーショットからピンポイントで狙っていかなければならないホール

最終日は原英莉花がトップでスタートしたが、2番でダブルボギーを叩き一気に大混戦の展開に。終盤まで稲見、山下のほかに藤田さいきと吉田優利にもまだまだチャンスがあった。藤田と吉田にとっても勝負の16番。ここで2人はダブルボギー。「16番のティーイングエリアにあるボードを見て、(山下)美夢有ちゃんとの一騎打ちになっていたのでびっくりした。4人くらいかと思っていたから」と、稲見はそこで2人が脱落したことを知ったという。

「ティーショットは完璧でした。完璧だったからこそ、2打目はもったいなかった。でも、寄せられる場所に残ってくれたから、切り替えてアプローチに集中しました」(稲見)

言葉通り、最高のアプローチで50センチにつけ、見事パーをセーブ。

「後半はショットがブレていた」と話した山下のティーショットは、左のラフに。2打目でグリーン近くまで運ぶも難しいアプローチが残った。

「ピンの手前に強い傾斜があって、そこを越してスライスラインに乗せる予定でしたが、思ったよりも薄く当たってしまい、右に出てしまいました……」(山下)

寄せきれなかった山下はパーをセーブできず、稲見に逆転を許してしまった。勝負どころで見事パーをセーブし、優勝を手繰り寄せた稲見は、会見の最後にこう締めくくった。

「緊張感はあったけど、楽しんでプレーできた。ここでの連覇はすごく意味のあることだと思います」

小誌連載「世界基準を追いかけろ!」でおなじみのプロコーチ・黒宮幹仁氏との初タッグで見事優勝。「初めて担がせてもらい、近くで彼女のプレーを見ましたが、シンプルにゴルフが上手いですね。こういう難しいコースでも再現性の高いスウィングができていた。素晴らしかったです」(黒宮)

藤田さいき、吉田優利は16番ダボで脱落

<ニトリレディス最終成績>

優勝稲見萌寧-9
2位T西村優菜-7
2位T植竹希望-7
2位T山下美夢有-7
5位T上田桃子-6
5位T藤田さいき-6
7位T吉田優利-5
7位T原英莉花-5

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月13日号より