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“聖地の主役”マキロイ惜敗に周囲の反応は?

世界中のゴルフファンの祈りもむなしく、ローリー・マキロイは第150回全英オープンの優勝を逃した。

最終日を後続に4打差でスタートし、8年ぶり全英2勝目に王手をかけたマキロイ。その彼を逆転し優勝したC・スミスを米メディアは、“パーティクラッシャー”と呼んだ。皆が期待したマキロイ戴冠のシナリオをオーストラリアの28歳が阻み、パーティをぶち壊したという論調だ。もちろんスミスを高く評価し、称賛したうえでだが、「人々はマキロイのために祈っていた」。なかには「空気を読んでほしかった」という投稿も。

大会前からマキロイは聖地セントアンドリュースの主役だった。歴代優勝者が集った記念イベントではタイガーと同じ組で回り、終始笑顔でギャラリーの熱視線を浴びた。

3日目10番でポットバンカーからチップインバーディを決めると、「来たぁー!」「感動!」「土曜日なのにこんなにドラマチックでいいの!?」「イギリス全体がこの男の優勝を願っている」「彼の週なのか?」とSNS上ではファンが大騒ぎ。

タイガーが聖地での全英最後の年に、タイガーの後継者マキロイが勝つ。最高のストーリー完成の予感に、セントアンドリュース中のパブでは紳士淑女がその話題で持ちきり。

しかし6万人近いギャラリーの多くがマキロイを応援した最終日、スミスに優勝を譲ると、声援はため息に変わった。

「悪いプレーをしたとは思っていない。でも今週は自分よりも良いプレーをした選手に負けた。4日間20アンダーは素晴らしい」と悔しさを押し殺し、勝者を称えたマキロイ。

「マキロイを叩くな。スポーツとはかくも厳しい」と母国のクリケットナショナルチームのコーチ、ゲーリー・ウィルソンがツイートした。

この悔しさは来年のマスターズで勝ってグランドスラムを達成して晴らせばいい。

練習日に談笑するタイガーとマキロイ(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月9日号より