【全英オープン】タイガー超え! キャメロン・スミスが4打差逆転。マキロイは8年ぶりメジャーV逃す
<全英オープン/セントアンドリュース オールドコース/7313Y・パー72/7月14日~17日>
セントアンドリュース・オールドコースで開催された第150回全英オープン最終日、首位と4打差の3位タイでスタートしたキャメロン・スミスが8バーディ・ノーボギーの「64」とスコアを伸ばし、逆転でメジャー初優勝を飾った。トータル20アンダーはタイガー・ウッズの2000年の記録(19アンダー)を上回り、オールドコースでの大会最少スコア記録を更新。悲願のメジャー初優勝に花を添えた。
ローリー・マキロイの8年ぶりのメジャー優勝が聖地セントアンドリュースで……最終日の中盤までは、多くの視聴者がそう確信していたに違いない。
3日目に10番パー4でバンカーから劇的なチップインイーグルを奪うなどして16アンダーの首位タイに躍り出たマキロイ。最終日も飛んで曲がらないドライバーショットと距離感抜群のパットを武器に、ノーボギーのゴルフを展開。同じ最終組のビクトル・ホブランがスコアを落とす苦しい展開となり、マキロイが順調にスコアを伸ばせば優勝は間違いないはずだった。が、セカンドを思うようにピンに絡めることができず、なかなかバーディを奪えない。
そんななか、驚異の追い上げを見せたのが前の組のキャメロン・スミス。2日目に単独首位に立ちながらも、3日目に「73」とスコアを落とし、首位と4打差のスタートとなったスミス。前半こそ2バーディと波に乗り切れなかったものの、10番から怒涛の5連続バーディ。トータル19アンダーとし、チャンスホールで伸ばし切れなかったマキロイを逆転。
とはいえ17番は世界屈指の難度を誇る名物パー4。パーをセーブするのも容易ではない。実際スミスはセカンドショットをショートし、有名なトミーズバンカー越えの難しいアプローチを残す。
ピンはバンカーを越えてすぐのところに切られ、バンカーからダウンスロープとなっているため、普通に狙うとグリーンをこぼれ右奥の道路までいってしまう。もちろんショートしてバンカーに入れてしまえば大トラブル必至。この時点でパーセーブはほぼ不可能と思われた。
ところがスミスはここでパターを選択。バンカーを越えずに、バンカーのすぐ右を通してグリーンに乗せ、4打目のパーパットを獲りにいく作戦に出た。ただ、バンカー右を通すといっても、ちょっと間違えばバンカーに吸い込まれてしまうし、ちょっと強ければグリーンをオーバーしてしまう危険性も。
しかしそこはパットの名手、キャメロン・スミス。狙い通りグリーンに乗せ、さらには残り3mのパーパットをど真ん中から沈めてみせた。
最大のピンチを切り抜けたスミスは、18番でもグリーンサイドからの25Yのアプローチをパターで60センチに寄せ、8つ目のバーディ。この日初めてのガッツポーズを見せ、悲願のメジャー初優勝を決定づけた。トータル20アンダーは、タイガー・ウッズが2000年に記録した19アンダーを上回る、オールドコースでの大会最少スコア記録を更新。さまざまな“世代交代”を感じさせた150回大会は、28歳のオージーによる記録的な優勝で幕を閉じた。
<全英オープン2022・最終成績>
1位 キャメロン・スミス -20
2位 キャメロン・ヤング -19
3位 ローリー・マキロイ -18
4位T ビクトル・ホブラン -14
4位T トミー・フリートウッド -14
6位T ブライアン・ハーマン -13
6位T ダスティン・ジョンソン -13
8位T ブライソン・デシャンボー -12
8位T ジョーダン・スピース -12
8位T パトリック・カントレー -12
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47位T 桂川有人 -5
68位T 松山英樹 -2
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